トランスフォーマー・コンボイの謎の謎

「ハーイみなさんお元気? わたし魔女っ子曹操よ!」
「は? 何錯乱してるんだ明宏君」
「いや、ちょっとハイなんです。徹夜ハイ。ハーイみなさんお元気?」
「聞いたよ」
「ゲームに関わる者ならその名前位は知ってると思いますが、実は『トランスフォーマー・コンボイの謎』を」
「! あの伝説のクソゲーか。僕もやったよ。懐かしいな」
「忌諱しに、もとい聞きしにまさる出来でしてね。チャレンジぶるのもたいがいにしてほしかったですね」
「中古屋には普通5〜6本あるな。手元に置いておきたいソフトじゃないからね」
「で、どうしてあんなに駄目なのか」
「僕と話したいと。よかろう」
「じゃあですね。自機がロボット形態のとき地上の敵で弾の当たらない奴がいる」
「ふむ。ジャンプ時、落下のスピードが遅くて敵を避けづらい」
「自機の当たり判定が大きい」
「敵の当たり判定が小さく、こちらの弾幕が非常にかわされやすい」
「変形にかかる時間が長く無防備で死にやすい」
「トラック形態で撃てる弾がわずかに放物線を描き、役に立つ場所もあるが目の前の敵にスカる」
「同じ地形を延々進むマップがほとんど」
「上に進むマップ・下に進むマップがあるが、開始時にぱっと見でわからない」
「敵の動きが直線やサインカーブぐらいで面白くない」
「アイテムキャリアが敵と同じ形をしている」
「ボス戦がどれも変わらず、ジャンプしながら撃ちまくるだけ」
「難易度が高いのにコンティニューが裏技(ABスタート同時押し)」
「あと構成の都合上ここまでとっといたけど、非常にパターン化しにくいよね」
「先輩。そこは僕の順番です」
「あれ? ひいふうみい……本当だ。ごめん」
「確かにパターンがつくりにくいですね。なぜなんでしょう」
「敵の出現パターンに問題があるんだ。マリオとかでは敵はどんなふうに出てくる?」
「決まった場所で出てきます」
「決まった場所で、決まった数だけ出てくるんだ。スクロールが自機に追従するゲームではそれが普通だ。それだと非常にパターンをつくりやすいんだが」
「ああ、『コンボイ』では敵の出てくる数が毎回違いますね。急いで進むと全く出ない敵もいるし」
「どうもこの場所でこの敵が出るというふうに決まってはいるらしいんだが、自機がその範囲にいる限り倒しても倒してもその敵が出てくるということが多いんだ。だから進み方によって敵の数が変わってしまうし、急げば出てこない敵もいる」
「ははあ、なるほど。思い当たります」
「パターンをつくれないというのはアクションゲームの楽しさの一つを捨てているということだね」
「楽しくないどころか、もはや不快の域です」
「腐海は深い、か。僕は先日気づいたんだが、『アニメージュ』っていうアニメの雑誌があるだろう。君もどうやら愛読しているようだが」
「は?」
「あれの読者投稿のパロディコーナーはループしているんだ。僕が小学生の頃読んだナウシカネタの『粘菌と年金』の駄洒落が今また載ったりしているんだ。再録しているわけじゃなくて、別の読者からの投稿だけれどね。10年経っても古典は古典だし、2時間のアニメから考えられるネタなんて知れたものだということだね」
「はあ。その話、コンボイとは関係ありませんね」
「カイとクイは飼いにくい……懐かしいねえ」
「駄目だこのオヤジ」
「少し肺に入った……」

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