「指輪世界 - [時系列で並べてタグをつけた文章]」
1999/09 その3

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1999/09/21 (火)

[互換歌遊び。ウルトラスーパーデラックスヘルシーフード。逃避二段跳び。(game)(philosophy)]

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 互換歌遊びをする。
http://www.nurs.or.jp/~ogochan/aa.html
 「蛍の光」を「仰げば尊し」で歌ったりする遊びだ。
参考:http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/index.html

 節ずらし遊びというのもある。

のぼりくだりの船人が、
櫂(かひ)のしづくも花と散る、
ながめを何にたとふべき、
春のうららの隅田川(すみだがわ)。

と歌うのだ(本来は、春の〜のぼり〜櫂〜ながめ)。

マジンゴー! マジンゴー! マジンガーZ
とばせ鉄拳! ロケットパンチ 今だ だすんだ ブレストファイアー
無敵の力は ぼくらのために 正義の心を パイルダー・オン
空にそびえる くろがねの城 スーパーロボット マジンガーZ

というのもある(本来は、空に〜無敵〜とばせ〜マジンゴー)。
参考:http://www.remus.dti.ne.jp/~waadiy/page.htm

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 善とか悪とかここしばらく書き散らしている。心配なのはとっくの昔に専門の人が同じ事をもっとわかりやすく書いているに違いない事だが、止むを得ない。
 僕の見方を紹介する。
 個人の利害は食い違う。さまざまな物事に対して各個人はそれぞれ違った利得を得る。例えば

個人天気がいい金相場が下落するマイクが藤田に殺される東洋人差別全面核戦争
マイク(Hi, Mike.)善2善5悪50善15悪70
ジェーン(Hi, Jane.)善1善悪0悪15善5悪70
ケン(This is Ken.)善1悪5悪10悪20悪65
藤田(Fujita is a mass murderer.)善2善悪0善20悪25悪70

 これらの個人の善悪利得表を総計・平均して粗い近似をとると、それらの個人が構成する集団における善悪の評価表ができる。この4人の集団では、

天気がいい金相場が下落するマイクが藤田に殺される東洋人差別全面核戦争
なかなか善いこと善いとも悪いともいえない非常に悪いこと悪いこときわめて悪いこと

とでもなるだろうか。

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 さて、ここまででも十分異論がありそうだが、ここまで同意できたという方にも、ここで一つ選択肢を紹介しよう。
 僕は、上記した善悪利得表は<傍点>真の</傍点>善悪利得表であり、各個人の認識は正確でない、つまり各個人の認識が真の善悪利得表と一致していない場合がある、という見方が好きだ。
 天気がいい、などの善悪は各個人がどれだけいい天気が好きかによるため、各個人の認識と善悪は正確に一致していると言える。だがたとえば、

マイク:
僕はこのウルトラスーパーデラックスヘルシーフードをもりもり食べるよ! なぜってウルトラスーパーデラックスヘルシーフードにはHogehogeteinをはじめとして42種類もの健康成分が含まれているんだからね! ウルトラスーパーデラックスヘルシーフードが市販されているってことはなんて善い事なんだろう。

ジェーン:
マイク、たいへんよ! たったいまHogehogeteinが「人体にきわめて危険な効果をおよぼす物質」だという厚生省発表があったわ!

マイク:
ジェーン、僕の墓にはこう刻んでくれ。「健康のためなら死んでもいい」ってね。がくっ。

ジェーン:
マイク! そのジョークはもう古いのよ! マイク、聞こえる? おお、マイク!

ということがありえる。僕はこれを、マイクの認識ではウルトラスーパーデラックスヘルシーフードが市販されていることは善だったのだが、彼の真の善悪利得表ではそれは悪だった、と見るわけだ。
 この見方では、各個人が自分の真の善悪利得表を調べ上げることが、難しいが大切なことだということになる。
 この見方とは違う見方としては、たとえば、真の善悪利得表などなく、各個人が認識している善悪利得表のみが存在するという見方があるだろう。僕には今一つピンとこないが。

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 善悪論議の息抜きに──現実逃避からの逃避*1──うろうろしていたらウテナについてちょっと面白いこじつけをみつけた。というか、このページhttp://www.geocities.co.jp/Technopolis/3241/index2.htmlの人は、私とかなり原点は違うが方向と長さの似たベクトルを持っているような気がする。

* 1:
 逃避二段跳び。達人は三段四段跳ぶ。

1999/09/26 (日)

[実家の空気。猫溜り。プロテクター。(walk)(book)]

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 しばらく実家に帰っていた。
 実家。実家は良い。匂いがいい。空気が。しんと涼しいコンクリートに包まれた石川台ハイツの空気。ガレージに置かれた塗料からわずかに匂う溶剤。雨の降る前、冷たく降る雨、雨の降った後。
 実家は良い。

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 石川台中学のわきに猫溜りを見つけた。夜、猫が集会をしているところ、の意。7〜8匹。

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 帰りの常磐線でJ・P・ホーガンの「造物主の掟」を読んだが、いまいち。機械の機械らしさが出てないし、最後の方は映画みたい。マイクル・クライトンの「スフィア」もこんなふうにドタバタしてたなあ*1。聖書をなぞるにしても「竜の卵」の方が熱いのは、ちゃんと趣向に凝っているからだろう。

* 1:
 人類初の異星文明との接触だというのに、確執だの嫉妬だのという人間ドラマをはじめる登場人物たち。こういう人達、多いですよね。貴方がた本当にプロか?

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 帰りの──水戸に帰る──常磐線ではラリー・ニーヴンの「プロテクター」を再読した。これ、初読時にはピンとこなかったのだけれど、今回は面白かった。ニーヴンの視点は良いですなあ。冷たくて。

プロテクターには自由意志というものはほとんどないのだ。
俺は、ばかだった。

実にいかす。


1999/09/27 (月)

[麻雀同級生。(game)]

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 ABC氏のコラムにひさびさの更新。アーケードの麻雀同級生の信じがたいクオリティの謎が解けた。やっぱりあれは「何かの間違い」だったんだなあと納得した。


1999/09/28 (火)

[ロシア軍のテーマが耳に焼き付いて離れない。散らかっているようでも学校というところはあっさりきれいになるものだ。蜘蛛は害虫を捕ってくれるが、その存在は害虫がいることを表している。鍵または靴のスワップ。(game)(labo)(philosophy)(etc)]

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 ちょっとポピュラスを再プレイ。shift&+-での速度変化を利用してみるが、やはり終盤のタルさ問題は解決しない。敵がちまちま来て、早期発見・迎撃すればほとんど被害がないのに、陣地内側に入り込まれるとけっこう損害が増えるから、高速にしてほっとくという手が使えないんだよね。「敵シャーマンが視界に入ったら速度を1にする見張り台」とかがあるといいのかな。
 アドバンスド大戦略98Ⅱを幹とやった。序盤だが、操作性がちと嫌。ウィンドウをたくさん開くのに、閉じないと進まない処理が多いし、マップウィンドウはマウスを端に寄せたらスクロールしてほしい。まあ、MDと比べたら相当進んでいるけれど。兵器の性能や進化系列について、攻略本がいりそうだなあ。

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 悪事のかぎりをつくした泰中研も今宵限り。来る人は福井先生とおっしゃるらしい。撤退作業。坂田さんは理学部のゴミ置き場からビデオデッキ3台を回収して喜んでいる。
 学校って衣食がなくて住のみだから──もっとも食については調理こそしなかったがむにゃむにゃ──掃除は楽なんだよな。

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 ときおり見かけるパターン。
 蜘蛛が部屋にいるということは、蚊や蝿やダニが部屋にいるということで、悪い事柄の表れである。が、蜘蛛はそれらの害虫を捕食するので、善い事柄である。
 悪い事柄Bに対処する、その悪い事柄Bの表れである善い事柄A。Bをなくすことに努力すべきで、それが成功すればAもなくなるが、Aをなくすことが目的なのではない。
 要注意。

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 自転車を降りて鍵をかけずに用事を済まし、戻ってきて鍵をかけて乗ってペダルを踏み込んでスポークを駄目にする。
 ゴミを捨てにスリッパのまま外に出て、戻ってきて靴に履き替える。
 誰だ、プログラマーは! swapするときにif文を省いた奴は!


1999/09/30 (木)

[突然現れた謎の人物!! 綱引きモデル。(etc)(nifty)(philosophy)]

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 漫画誌の柱にある煽り文句を書いている人は悲しくならないだろうか。
 9割9分が決まり悪い、格好悪い、恥ずかしいコピーだと思う。

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 東海村でペレットの臨界事故が起きたとのこと。数kmだからけっこう怖い距離に住んでるんだよなあ。ニュースでは心配ないということだが、原子力関係の情報には非常に信頼がおけないからやや不安。

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 Niftyのfcomedysオタクアミーゴス16〜17の境界線あたりで、山本弘氏の発言をきっかけに、自虐史観・南京大虐殺あたりの話題のツリーができている。トンデモジャンルの立役者であり、政治的な領域にも興味をもっておられるらしい氏としては、自虐史観方面は避けて通りがたい話題であろう。がんばれ、山本氏。あなたは私の中学〜高校時代の興味範囲の中心ちかくにいた人だった。ソードワールドリプレイの第1部は面白かった。
 さてそのオタクアミーゴス17の#00061発言で天牛卍固め氏が山本氏の意見に対してこんなことを言っている。
 これを端緒に、ありがちなパターンの話をしよう。

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 ありがちなパターン──綱引きモデル。
 議論を敵と味方に分け、双方の主張の中間のどこかの点を結論とするモデル。
 2つの陣営が綱を引っ張り合って、妥協点・合意点をできるかぎり自分の方へもってこようとするモデル。
 これは、ありがちで、雑で、醜いモデルである。なぜ醜いかというとたとえば、迷惑な味方効果が生じるからである。
 議論を綱引きモデルの視点で考えている人は、迷惑な味方を持つことになる。ある人Aが4と言い、別の人Bが18と主張する。そしてCが26と言ったとき、綱引きモデルで考えれば、BにとってCは迷惑な味方である。BとCは、大きい方がいい、という陣営に属していることになるわけだ。Aの意見とBの意見の中間点は11であり、そこにCが加わると16になる。
 綱引きモデルでは、Bは、結論を正しいと思っていること18に近づけるために、他人Cの主張、26を味方にすることになる*1

* 1:
 あるいは、B自身も20とか24とかいった、自分が正しいと思っている数値18より大袈裟な主張をするかもしれない。

 これは、非常に醜い。
 私は、現在の原子力発電の技術は未熟であり、その安全性はまだまだ低く、事故率と事故発生時に失われるコストとを掛け合わせると、発電による利得を大きく上回るのではないかと考えている。そして、現在の原子力行政はその安全性を実際より非常に高く見積もっており、また、実際より非常に高く喧伝していると思う。原子力行政をどうしていくべきかは、よくわからないけれど。
 この意見は、原子力行政の議論を綱引きモデルで考えている人にとっては、原子力発電反対派に属することになるだろう。そして、原子爆弾はこんな悲惨な被害をもたらした、だから原子力発電は反対だ、という意見の味方だということになるだろう。
 雑だ。なんて雑な考え方、見方、モデルだ。そしてよく用いられるモデルだ。たとえばNHKでも。十分気をつけたい。

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