-->
「指輪世界 - [時系列で並べてタグをつけた文章]」
1999/10 その2

[索引へ] [一つ過去へ] [一つ現在へ]
[最新版へ]
[指輪世界へ]

1999/10/11 (月)

[クリア。(game)]

_
2000/05/15/01cへ続く
 鈍色の攻防東部戦線ルートクリア。
 以下一応ネタバレ*1

* 1:
 キャンペーン終盤の展開と、エンディングに関する言及あり。それから、誉める。あなたはここまで読んできて、このゲームをプレイしてみようとお思いだろうか? もしそうならば、ここから先は読まなくていい。プレイすればいい。が、まだプレイする気がおありでないなら、この先を読むこともできる。この先を読んでプレイする気が起きるなら、読まずにプレイしないよりもよいと私は思う。
 望ましさ順に並べるなら、
  1. プレイしてからネタバレを読む。
  2. ネタバレにならない程度に読んでからプレイする。
  3. ネタバレを読んでからプレイする。
  4. プレイしない。
ということになるからだ。
 同様に私は、あるものを「これは凄く面白いよ」と人に勧めることのなかにしばしば矛盾を感じる。事前に面白い面白いと言われていればいるだけ、実際に体験した際に、思ったほどではなかったという印象が強くなるからだ。
  1. 何も知らずに体験する。
  2. 勧められて体験する。
  3. 体験しない。
したがって、相手がやる気になるぎりぎりのラインを狙って勧めることが重要なのだが……なかなかうまくいかない。難しいものだ。

 このゲーム、終盤のシナリオ展開は目を見張るものがありますよ。
 激しいグスタフ(モデルはドイツ)の攻勢を跳ね返し、ついにユーロディエール(冒頭で逃げ出した本国。イギリス)に返り咲くぞ、私は帰ってきた! と勢い込んで上陸すると、来る敵来る敵自分が最初の頃に乗っていた時代遅れの車輛。こちらは東部戦線の砲火の中を戦い抜いたムロメッツ(ロシア)の優秀な重戦車だというのに……しまいには王立少年戦車隊などと、博物館入りの骨董品に学徒兵を乗せて出撃させてくる始末。これでは虐殺だ。しかも同胞を。
 最終戦はグスタフの最新鋭車輛が出てきて激戦になるが、捕虜にした親衛隊隊長の言うことがまたえぐい。
「本国(グスタフ)が降伏したのになぜ戦ったか、だと? 笑わせるな。お前達こそそれではないか。一個中隊で何がユーロディエール共和国軍か。ユーロディエール共和国なんて国はありはしない。お前達が戦っていた帝政ユーロディエールこそユーロディエールだったのだ。お前達のやっていたことは、大国の手先になって戦っていたにすぎない」
 はっとする間に帝国女帝パースは自決し、そしてエンディング、ユーロディエールはムロメッツとノーラッド(アメリカ)によって南北に分割されるのだった。世界各地を転戦し、部下を戦死させ、その何倍もの敵兵を殺した結果が、これか。何万の血が流れ、国境線が引きなおされただけか。そしてユーロディエールは、ムロメッツ・ノーラッドの対立の戦場となる──
 いや凄い凄い、参りました。ニフティの会議室の発言を見て興味をもったこのゲームだったけれど、その時その発言を読んで想像(補完)した展開の3倍はあります。戦闘中、一人称視点によって最前線の兵士の立場に身を置くことが、物語をずしりと腹に響かせているのでしょう。ゲームという形式の強みを知らされました。ここまで言ったんだ、やってみてください。たった2000円ですから。

1999/10/12 (火)


1999/10/13 (水)


1999/10/14 (木)

[キーマップ。PS購入。パチジャッキー。(env)(game)(movie)]

_
 vectorからswapscanをダウンロードして、jp106kbd.txtとにらめっこしてキーボードをがたがたいじる。
 とりあえず、CapsLockをCtrlに、変換およびカタカナ/ひらがなをAltにした(現在、Alt+Tabをよく使うので)。入れ替えるのではないところがいい。いろいろと愉快なことができる予感。こうなるとスペースバーが短くてわけのわからないキーがたくさんある106キーボードも面白くなってくる。

_
 運動公園わきの中古よろず屋──リサイクルセンタなどというハイカラな名前を自称しているが──でPSの3500の中古を買う。ビデオケーブル、電源コード、コントローラ各1がついて10290円。高いのか安いのか。佐藤さんがPSを知り合いに譲ってしまったため、和室にPSがなかったのだが、幹のアパートでないとPSができないというのはちょっとね。という衝動買い。つまり、鈍色の攻防をやりたい/やらせたいということなのだった。特に、舟橋さんや佐藤さん、坂田さんにはやらせないと、話題にできない/この日記に書いた感想文を読ませられないではないか。
 ゲームをただプレイする、ということをしないらしいな、僕は。

_
 舟橋さんが借りてきた香港映画「ハイリスク」を見る。ダイハードのシチュエーションをかなりまっすぐにもってきているが、クンフーアクションがかなり見せる。ビリー・チョウも出ていた。長髪が似合わないが、ヒーローへの憧れの裏返しに屈折した、ちょっと繊細な役でかわいかった。そうか、ビリーってほのかにかわいいんだ! うーむ新発見。
 ジャッキー・チェンのパチものをコミックリリーフにしてコメディもまぜているが、これがなかなか上手で笑えた。しかし、香港映画は主人公格のキャラクタを複数出すことが多いような気がするが、なぜだろう。この映画でもリー・リンチェイ、にせジャッキー、若手刑事の3人が主人公格だった。
 舟橋さん「何でも香港化フィルタ」提唱。

これを香港映画でやったらって考えるんだよ。たとえばブギーポップをこうやって吊ってワイヤアクションさせてさ……
この人、脳腐ってる。


1999/10/15 (金)

[チキンラーメン。メモ。(food)(game)]

_
 チキンラーメンが旨い。食物が食べられるということはなんと幸せなことであろうか。
 しかし、小学校の頃か、夏に市民プールに行った帰りに自販機で食べさせてもらったカップヌードル、あの味はもうしないんだよな。

_
 鈍色の攻防、やや建設的な意見。それから、メーカーのページとしてはかなり魂のこもっているシャングリラの鈍色の攻防のページ

  1. セーブ/ロードはまともに。セーブにかかる時間でゲームのテンポが非常に悪化している。ただ、リセット&ロードに異常な手間がかかる*1ことで部下が戦死したときに即リセットしにくくなり、それによって部下が死に(部下を死なせたまま先へ進み)やすくなっている、という効果がもしかしたらある*2。もしこまめなセーブを防ぎたいのなら、自分が戦死してゲームオーバになったときだけでいいからコンティニュー(ミッション再挑戦)できるようにするといいと思う。そういう仕様なら、ノーセーブで邁進し、プレイを中断するときだけセーブするというプレイが可能になる。

    * 1:
    セーブデータ1つが3つものメモリブロックを占めるのも信じがたい。

    * 2:
    育ててきたキャラクタを失うと戦力が激減するため、誰かが死んだ場合には即リセットし、一人の損失もなしにプレイする、というのはSRPGで一般的なプレイスタイルだが、鈍色の攻防はそれとは違うプレイスタイルを許していて、それがゲームのテーマの一部になっているのではないかとも思う。

  2. 敵中隊の情報その他、情報を調べるときのアクセス時間が長い。これもテンポを悪くしているが、プログラム技術の問題であろう。
  3. 戦闘終了時に、終了時点での敵および部下の車輌または残骸の位置を閲覧できるとよい。贅沢を言えば、その戦闘での各車輌の移動経路や発砲回数被弾回数命中率なども見られたら面白いと思う。
  4. 全体マップは一画面に入るまで縮小できるようにしたほうが良い。これは絶対に必要で論を待たぬ。それから、侵入不能地形は輪郭を濃くするなどしてわかりやすくするといいだろう。
  5. 部下の移動アルゴリズムは愚かだが、戦車の移動はすこし特殊なのである程度はしかたがないかもしれない。移動時に経由地点を指定できるようにすると障害物を迂回するような指示が可能になるので、問題がかなり改善されると思う。
  6. 小隊単位での移動を指定する際に、移動目標地点で各車輌が密集して混乱し見苦しい。小隊単位での移動では目標地点近傍へ、ある程度間を置いて定位するというアルゴリズムでいいと思う。
  7. 全体マップで、各車輌の車体の向きを表示することができるといいと思う。
  8. 部下に移動を命令するときに、目標地点を配置する指定方法のほかに、一定距離前進あるいは後進、という指定方法があってもよいと思う。
  9. 砲兵支援や航空支援を導入しなかったのは正解だと思う。
  10. 木や電柱を踏み倒せるのはたいへん良い。
  11. 複数の音声が重なったときは前の方が打ち消されてしまうが、戦死などの重要な報告はスタックしておいてちゃんと聞けるようにするとよいと思う。声が重なって聞こえたりしても面白いかもしれない。
  12. 車輌撃破時のリプレイ機能はたいへん良い。
  13. 照準の上下動を十字キーの上下と順逆入れ替えられるオプションがあるとよい。
  14. 編成画面のレイアウトや決定形式には改善の余地が大いにある。
  15. 起動画面では最初にカーソルが合っているのはstartでなしにloadのほうがよい。
  16. 自車が撃破された際、他の部下の車輌に移ったり、全体マップ上での指揮だけできるようなモードになったりして戦闘を続行できるような仕様にしなかったのは、正しい。理由:部下と自分を分離し並列に扱うため。

_
 THE DOM'S PAGEの「鈍色の帝国(鈍色の攻防外伝。開発者の方によるもの)」へ、感想として投稿したもの。

 「鈍色の帝国」プロローグ&一章、読了しました。面白い! です。
「鈍色の攻防」プレイ時にも感じましたが、高級将校の描写が楽しいですね。
モラ将軍があっけなく死んでしまったり、トハチェフスキー閣下がいじめられていたり。
そうか、だからトハチェフスキーが極東にいたんだ。なるほどね。
ゴートの大将は昔っからああだったのか……
鈍色の攻防は、自分一人で戦うゲームではないのですが、ボードゲームのように部下の一挙
手一投足まで完全にコントロールするゲームでもなくて、「部下を指揮するのだけれど、同
時にその部下たちと同じ視点で戦う」ゲームだったと思います。
そこが好きです。
部下に思い入れができるというか、ゲームの駒じゃなくて同じ人間なんだよなというか。部
下が戦死したときも、自分の下ではなくて隣で死んだんだという気がして。
で、司令官たちも、ムロメッツの西部方面軍の──ブジョンヌイ元帥でしたっけ、東部戦線
で劣勢がばれないないようにとあがいていたりして、そのおかげで共和国戦車中隊は無茶な
敵中突破作戦をさせられて大弱りするわけですが、やっぱり同じ人間なんだなあ、とか思い
ます。


1999/10/16 (土)

[上から撃たれるっていうことは辛いことなのよ。(comic)(philosophy)]

_
 アフタヌーン増刊号を読む。
 ガンスミスキャッツ、あいかわらずまとまっていて読ませる。本誌でやっている砲神エグザクソン(砲神ってそのまま変換されるわけないな、考えてみると)のテンポ、話の進め方にちょっと同調できないのだけれど、これってどうしてだろう。
 ヨコハマ買い出し紀行の人の「position」、インコの話だが、紀行といいああいった話がずっと描けるというのはなんというか、人間の多様性? うーむ。絵の魅力がかなり大きいとは思うが。
 EDEN以前は面白かったのにSF気味世界の舞台がどうもありがちに見える人の「女子高生2000」だが、これは危険だ、ということに気づく。果たして面白かった、と言ってしまって安全だろうか。メタに後退*1して自分を描きはじめているけれど、その方向は怖い。面白い面白いと読みついていくといつニヒルに裏切られるか知れない。

* 1:
 「メタに後退する」というのは俺用語で、たとえばこういう場合を指す。
 俺用語、というのはやや野暮ったい言い方だが、けっこう気の効いた表現を思い付いたものだ、という自負を自分で茶化す効果を出している。というふうに自分を客観視──恥ずかしい表現だ──とフォローしておく────したような書き方をすると自尊心を守ることができる。
 ように思われるがそれは考えが浅く、事実自尊心だとかアイデンティティについて言及するはめになっていることからもわかるように、壁のしみを隠すためにペンキを塗ったらむらができてしまい、それを隠すためにさらにペンキを塗るのだがまた新しいむらができて決して終わらないような状態に陥りかねない。ここではこの段落で収拾しているが、「とフォローしておく」のあたりはかなり危険であった。
 メタ後退の危険には、このように書き手のアイデンティティを守るとみせかけてやがて脅かすというものの他に、漫画などで陥りがちな「全部お芝居でした」が止まらなくなるというものがある。「「「お芝居でした」がお芝居でした」がお芝居でした」……
 プレ世界を律していたルールが一段メタにされるときすべて力を失ってしまうため、物語を終わらせるルールがなくなってしまうのだろう。物語の終点というのは特異点であるわけだが、メタ化はそれを特異でなくしてしまうのだとも言える。このあたり、未開拓で未消化で整理されていない、読者に不親切な、そして自分では書いていてスリリングな領域である。

 おおまかに結論を言うと、自己言及をするような輩は信用しがたいのである。行動の予測が難しい*2。そんなことをしない人のほうが信頼できる。
 こういったことはたぶん「EDENの人は根暗だ」という表現と同じことを違う言い方で言っていることになる。だから私は、EDENの人は根暗なのでメタに1レベルずつ上へ上へと後退していって、読者としてそれにくっついていくといつか1レベル上から攻撃され──というと大袈裟だが皮肉の一つも言われ──んともかぎらん、と思う。
 という話でした。Over!

* 2:
 システムの中にそのシステム自体を含めるとかそういう話になるのだろうから、難しくなるだろう。


1999/10/17 (日)


1999/10/18 (月)

[IEからの脱出。失敗。(web)]

_
 僕が使っているのは研究室の端末でウィンドウズ95、wwwブラウザはIE4.0。IEのウィンドウを10枚弱開いて数時間遊んでいると、これらのウィンドウの表示がバグりはじめて手がつけられなくなる。ページの表示がダブってきて、それが他のIEのウィンドウに次々広がる。更新しても無駄。IEを全部閉じて、もう一度IEを立ち上げると直る。謎。「メモリが洩れている」のではないかという話だが、どうにかならぬものか。
 と考えて、Liteというシェアウェアのブラウザを試してみる。軽いらしい。cacheがフォルダになっていてオフラインでの閲覧がしやすい。値段2000円だが試用期間30日を過ぎても.gifが見れなくなるだけ。
 が、ブックマークが多層構造にできない! フォルダが1階層しか作れない。おいおいそれは辛い。僕IEでは「伊藤のフォルダ/ゲーム/オウガ/掲示板/」とかしてるんですけど。現在ブックマーク数672、これを1階層までしか作れないフォルダで整理しろって、無理です。挫折。


1999/10/19 (火)


1999/10/20 (水)

[コントローラを持たせれば勝ち。テュロック参上。(game)]

_
 佐藤さんと舟橋さんに「鈍色の攻防」をプレイさせることに成功。PSを和室に置いて成功。口で誉めすぎる前にやらせてみて成功。とにかく現物を前にコントローラを持たせ、始めさせてしまうことが肝心ですな。両人とも最近あまり当たりゲームを引いてなかったみたいだし。
 といって、鈍色の攻防が当たりだというのもどうかと思うけれど……*1

* 1:
 これは謙遜であり、他人が「あれは外れでしょ」などと言ったら怒る。

 外れといえば舟橋さんがハマっていた64の「テュロック」は謙遜どころでなく外れであった。ゲームはハマったからといって当たりとは限らない。人はよくないゲームにもハマってしまうことがあり、よいゲームもクリアできないことがある。とても好きなゲームであるがゆえにプレイする気が起きない、という場合すらある*2。ゲームがご飯のおかずのように他人に食べられてしまったりするものでないことは幸いと言えよう。

* 2:
 これを、ゲームの活性化エネルギーが高い、という。

 が、テュロックというゲームの駄目さ嫌っぷりを論うことは楽しくもあり、またドゥーム系ゲームにおいて気をつけなければならない種々の点を浮き彫りにするような気もするので、一席書こう。
 まず、敵が唐突突然に、何もないところに出現する。これは「フェアではない」。ドゥームなどでは、敵は最初から配置されているか、隠し扉から出てくる。
 次に、マップには高さの概念があるが、落ちたら即死の断崖絶壁か、完全に区切られたレベル構造ばかりである。崖っぷちを落ちないように歩く……そういうゲームなのか? 複雑な行き来なしに区切ってしまうのなら、別々の面にしたって同じだし。
 なぜか飛び石を跳んでいくジャンプゲームになるが、そういうのはブロック単位のトゥームレイダース空間でやるか、ゼルダ64のような自動ジャンプシステムでやってほしい。一人称視点でシビアなジャンプをさせるのはよくない。
 敵がノックバックせず、また移動が速い。何を当てても死なないかぎり一直線に突っ込んでくる。結果、かなり嫌な零距離でのぐるぐる勝負になることが多い。
 キーアサインの関係上、武装の変更が停止状態でしかできない。
 弾薬数の不足に悩まされるらしい。
 溶岩面では色の関係でマップが見えなくなるらしい。

[索引へ] [一つ過去へ] [一つ現在へ]
[最新版へ]
[指輪世界へ]

メール[管理人伊藤悠 / ITO Yu / FZR02073---a---t---nifty.ne.jp]

この日記は、GNSを使用して作成されています。