天空の城ラピュタ書き出し

 桝田省治氏が30回観れば?と言ったのでやってみる。
 ラピュタは小学・中学で幾度か観たし、好きだ。100人中99人とはいかないまでも95人は面白いと言うのではないだろうか。
 文中「憎い」は「上手い」とほぼ同義。「ドキ」は「サスペンス」「刺激」と同義。
 参考:ぼくらのヒーロー・ムスカ

少年少女の成長

 人間は成長を好む。
 生物は皆誕生から成熟までの間に成長する。人間の成熟は哺乳類のなかでも遅い。
 生物一般では、成長は個体レベルの問題である(進化的階梯の概念を措くとして)が、人間では、記録・文化が蓄積され成長する。人間を書物に喩えると、生物学的に書き込まれた文面にさらに文化的書き込みが行なわれ、余白が埋められあるいはすでにある文が上書きされることで、成熟する。それによって一人前となる。これが重要である。
 よって人間は成長を好む。少年少女の成長物語を好む。

立派な大人

 立派な大人が入れ替わり立ち代り現れる。

親方

 初登場時:厳しい。
 仕事の具合悪さ……少年が抜け出すべきダウナー雰囲気。
 対海賊:海賊だって男と男。一歩も引きやしないぜ。コミカルギャグ、かつ海賊の「ノリノリの気のよさ」を引き出す。
鉱夫と海賊
 まず顔面から地面につっこんでツカミはok。すべりこむ2人、覗き込む親方で2発目ok。ならぶ海賊、並ぶパズー、引っ張り込まれて3発目ok。女の大人は強いぜ。あと「バカでノリノリな男どもをあしらうお母さん」。
 様式化された喧嘩の拡大シークエンス。バカでノリノリ。ツッコミ役のドーラが迫る。
 むろん、崖ギリギリ。ふわりとスカート。憎い。
 ドーラも強いお母さんだから騙せないぜ。あと小道具(望遠鏡)描写。
 列車に乗る2人でも細かく小ドキ。轢かれるんでは? 乗れないんでは? 「悪漢」かー浪漫ですなー

パズー父

 カッコいいバカ。
 パズーが目指すべき人物。けっこう初期に登場(回想とパズーによる語り)し、ラピュタ到着時にもう一度。ゴーグル。
 ゴーグルは最後のほうで外れる。憎い。

機関士のおじさん

 気のよさ。軍も海賊も恐れない。「釜焚き手伝え」=パズーを0.95人前扱い。
 黒服から煙つながりで釜炊きパズー。ドーラは人と物を押しのけて爆走。落ちる奴は落ちろ。私の後に道はない(壊れるから。とにかくしつこく、ドーラの通った道は壊れる)。
 走るにせよなんにせよ高台で。仁王立ちのドーラ、絶好調。「釜炊き頼む」シータも守られてばかりじゃないぜー。パズーも臨機に応変できる男だぜー。「留め金が外れるか? 蹴り押せるか?」ドキドキ。
 ガシン「負けるなぁ」ドーラの「見得」見事。だがパズーも臨機に応変できる……ってこの「押し引き」が盛り上がる。シンクロで迫るコミカル息子たち、シータ「躊躇する実行力」2発目、スコップ命中。もう観客をツカみまくり。跳び移るパズー(このムリっぽさがポイント)と「待てぇー(昔話の鬼婆。つまり「3枚のお札」みたいなもんだったのか)」
 ばっははーいと手を振るところに、後の仲良し関係が伏線されている。
 「諦めません」宣言。「僕がやる」「ううん、やらせて」優等生めー。この優等生ぶりが後の「耳をすませば」で全開する、のかな。
 「お待ち」この間が転調。「奴らだ」で次の敵登場。CM1。

ポムじいさん

 CM2の後の洞窟編。パズーの気配りの速さ(テンポよくトバすぜー)から、「ああ、待ってくれ」ぎりぎり間に合う、こんな細かいところでも小ドキ。憎し。「入口があんなに小さい」で現在地確認後、シータの心遣い描写、「さあ、出口を探さなきゃ」目的提示しつつパズーの男気up、シータ不安up、go。
 こういうところではカメラが人物in前に1秒、out後1秒待つのがコツ?
 魔法のカバン……男気up。これがこの後のヘコみへの伏線とも知らず……
 「アニメの食い物は下品に食ってこそ花」派もいるが、まあシータ食いも可だろう。影の大きさで洞窟の広さ、2人の親密度表現。
 山(アルプス)+鳥の声と音楽、ヤク、シータ(瞬き)、迫るショッカー。ヤクの視線もショッカー向き。風。
 回想からは、聞き手の顔アップで戻る。状況の整理説明。成長ものには親はいらねえ。シータは母、パズーは父しか描写なし。
 足-仰角カメラ。小ドキ。
 電波系気のよさ。世界が一段階神秘寄りに。「そりゃ豪儀だな」で安心する皆。ポム爺さんがいるだけで地底はイイ感じの場所に。
 緊張感を保ちつつヒマじゃない、水の滴りとそこへ跳ぶカット割。見てもわからんものをあえていったん映す。
 何かあったら寄り添え2人。神秘ショー開始。上を見上げるとこ、やっぱ劇場で見たい。どれ、見せてやるかな。観客「見せて見せて」引き込みつつ、ポム爺さんの声が小さくなることでさらに引き込む。
 ここまで場を支配してきた爺さんがビビることで飛行石のマクガフィン強度アップ。手が震えるのはコストパフォーマンスのいい表現。爺さんの台詞聞き取りづらい、これ「不吉な予言」。別に内容を理解せんでも、不気味ならよし。調子付くパズー(髪の毛)。爺さん目の演技。
 しつこく軍の飛行機。海賊。ドーラ「不吉な予言」。「腹減ったな」はキャラ立て。
 爺さんとの別れ(爺さん空間から外へ出る)。ここでも不吉。
 「うわあ、すごい雲」開放感、だが、見上げる空に何かほら足りないだろ? アレだよアレ。飛行機はどこいった?
 風、瞳のうるみ、やァるぞーきっとラピュタを見つけたる! そこへインタラプトして「私の秘密をいいましょう」なんか重大発言ぽいので目と心が集中する。なにげなーく旋回する飛行機。「それじゃ……」なにげなーく、じゃねえ突っ込んでくる飛行機うわー(ななななんでそんな危ないことしますかー! ドキドキ。「リアル」じゃない。シータを殺しちゃいかん筈だ)
 このシーンを応用するとどんなものになるんだろう?
 本来、シータの告白は長い語りになってしまう。この語りは別に観客にとって拝聴してて嬉しいものではないので、飛行機でインタラプトして省略させる。
 地下へ逃げろ! 動くな!(どどどどこから湧きましたかー。小ギャグ・モブ) なにをする! ボカ。五七五のリズムで。
 噛みつきは子供の特権ッスよ。収容しました! てこずらせたな(次、こいつ悪役ね宣言)。いつのまにやらわんさか軍隊。どうなる! CM3。

ドーラ

 一番立派な大人。シータが目指すべき人物。
 先陣を切ってフロアを横切り突入。
 「何をグズグズしてるんだい。さっさと蹴破らないか」:情けない息子と威勢のいいドーラ
 「裏口からとっくに逃げたよ」対峙するお母さん2人。ここからドーラシークエンス。乗り物が発進するときはかならず乗り遅れそうになること。モブシーンは「どっから湧いた、どこに消えた」というコミカルさで。投げつけられるものはギャグの一種なので遊ぶ。そして息子には鉢植えがあたるが、ドーラには当らない。鉱夫どもをあしらい去るドーラ、ここで黒服再登場(だが、皆忘れてるよな)。煙とともに消える。
 「飛行石だよ」「しまった、飛行石が!」:最初はシータでなく飛行石を見ている(シータは付属物)。がシータを見るようになる。最終的には「宝がなんだい。髪は女の命だよ」
 「ママみたいになるの、あの子」:なります。船長室の壁の絵を見よ。

息子たち

 ドーラの引き立て役。ドーラのやることなすことの脇にいて、対比される。
 「ママ、落ちる〜」
 「ぐずぐずしてないでこいつを谷底に」「んあ」
 コミックリリーフ。
 鉱夫との喧嘩。

大人と共に行動するが、大人に引率されてはいかん

 パズーが親方にシータのことを知らせてはいかん。:コミカルなインタラプトの連続と、勤労・機械少年パズーの描写と、鉱山町の不況を同時説明。
 でかい機械とパズー。揺れる動輪でちょいドキ。「ブレーキ!」びっくり。
 ああ、教科書で見た「労働者」だー。
 「残業はなしだ」

ドキドキ

 安全な観客席から他人が怖いことをするのを眺めるのだ。
 ていうか「小ドキが挟めるところでは必ず小ドキを挟め」?

プロペラ脇で何かしろ

 プロペラは当ると切れそうで怖いぞ。
 開始直後のフラップター。
 接舷後、プロペラ脇を身をかがめて走る海賊。

最初から最後までクリフハンガー

 すべてはクリフハンガーのためにあるぞ。
 まずはシータの。一旦は逃れる、が追い詰められて、ここでシャルルの。そしてシータ手が滑ってうわー! どうなる!? で引いてタイトル。息を詰めてタイトルを眺めざるを得ないぞ。ここで、雲の利用。
 でかい坑穴に落ちそうになるパズー。「わたた」しかも滑り落ちながら走り降りていく。
 鉄骨の上を走る、先端で「うわあ」わたた。シータもぎりぎりの位置に降りてくる。憎い。
 飛行石の描写(光を失うと力を失う)から「うわあ」憎い。ギギ……という板のしなり音。憎い。
 シータは重い(一息ついて「ふう」):パズーはガキだ。子供だ。
 要塞ではシータだけでなくムスカもクリフハンガー。
 ラピュタリスペクトな不思議の海のナディアやエターナルアルカディアにはクリフハンガーが少ないな。

何かするときは崖っぷちで

 ラッパを吹くときも、車を止めるときも、落ちそうなガキを覗き込むときも、喜んでくるくる回るときも。

手摺はつけるな

 穴や崖っぷちに手摺をつけるの禁止。
 鉱山の穴、パズーの家、ラピュタ、鉄道、要塞の縦穴。
 例外はタイガーモス号。でも手摺は隙間だらけにすること。コケてすべったら即死だぞ。

テーマ/説教

 説教は誉むべきかな。田中友幸による親に変わって子供に説教してやることを参照。
 ラピュタでは、「地に足着いてない科学技術文明ってどうよ?」。これはナウシカ(1984年)でもやったネタだが、1986年には良いテーマでは。でも農民は出てこないのか。ナウシカでもあまり「土」って感じしなかったな。やっぱり飛んでなんぼなのか?

タイトルで全部やっちゃえ

 「2分30秒で語る天空の城ラピュタ全部」「回るもので語る天空の城ラピュタ全部」
 雲と風神(時の経過)
 風車1個
 風車たくさん
 歯車
 歯車たくさん
 地を掘る刃車
 歯車と黒い煙(vs白い雲)
 空を飛ぶ風車(雲)
 浮き上がる風車たくさんの箱舟
 飛行機械たくさん
(黒い画面と明るい画面の交互)
 風車で支えられた都市/城
 飛ぶ都市たくさん
 きなくさい飛行機械たくさん(戦艦?)
 嵐雲
 雷雨、砕け散る都市・機械群
 墜落した機械と、そこから歩き出てゆく人々
 雲と風神
 風車1個とシータとヤク
 要約:人は科学技術をエスカレートさせ高望みして、自然の前に打ちのめされ、大地に帰る。シータは健気につつましく生きる。

明確な対立

 2時間の映像で複雑な対立は理解できねえぞ。あと子供相手なので。

シータとムスカ

 初っ端から食事拒否のシータ。あと、瓶でぶん殴る。ここでは、シータの「躊躇する品のよさと、殴る実行力(萌え萌え〜)」が表現されているぞ。あとムスカ「カッコイイ間抜けっぷり」「シータの実行力を舐めてる(→最後の、石を奪われる&バルされる)」

海賊とムスカ

 撃て撃て。海賊-船員の撃ち合いはややコミカルだが、海賊-黒服の撃ち合いはマジ(弾が当ったら死ぬかも)っぽい演出。これは海賊のいい人属性を外さないためか。

 CM1後。まずは、飛行機が上から押さえつける、左右は崖。圧迫感のある画面で、前方に装甲列車。うう、なんか嫌な狭い予感……
 煙と煙が出会う。無言のイヤな列車の装甲(萌え〜)と、無警戒な機関士&パズー(が人を不安にする)。ここで「さよなら」はねえだろ? 「パズーを巻き込まないシータその1」、それでも足をひっかけるパズー、ちょいクリフハンガー「あわわ」、機関士男気。立派やー。
 「装甲列車だ」「構うもんか、突っ込め」でドーラvs軍の暗示とドーラ女気。で、すぐ砲撃。だがードーラはひるまないー。鉄道野郎の喜ぶガンアクションで迫るドーラ、かわすパズーでクリフハンガー。カメラ上からで高さ表現。激突時に破片がすごい吹っ飛び方をしてウソ。ドーラ「転んだらすぐ起きる」。
 クリフハンガー、めきめき……「落ちるぞぉ」って君らも落ちそうじゃん。憎い。よーく見てな。
 めきめき……ずる「うわー」ってオープニングといっしょで、飛行石も一緒。「おほお」とドーラが喜ぶから、観客も「ああ、すげえもんなのか」と思う。軍もみつめる、この一瞬の間が神秘の力ってやつッスよ(オネアミスの打ち上げ)。回る喜ぶ2人、片手離してちょいドキ。憎い。
 「大丈夫。ここまま底まで行こう」なんで狙ったように縦穴がありますかー? いやぁ、谷間の次は穴かなー。オープニングと同じ舞台転換(ただし雲なし)。
 「すごい。欲しい」そおかあ? 海賊に必要か? マクガフィンだから欲しいわけだ。「撃てェ」でドーラ-軍の対立をもう一遍念押ししつつドーラの元気演出しつつ、さっきから上を飛んでる飛行機を念押ししつつ、CM2へ。

 雲は便利。
 先日、TV番組「特命リサーチ」で、宮崎アニメの技術論をやっていて、「運動視差」というネタが言われていた。なるほどと思った。ちょっと悔しいが。
 さてそう考えると、飛んでいるときも何かが近くになくては運動視差が生じない。よって、ナウシカでもラピュタでも、飛んでいるとき、ことに砲撃戦のシーンなどでは、雲が要る。逃げ込めるし。「飛ぶときは何かの近くを飛べ」。
 あと魔女の宅急便で、町が時計回りに、キキが反時計回りに動くのを上から撮ったカットは、町とキキを動かすことでカメラを動かしている、「ブン回している」。よって観客をブン回している。これは、グランツーリスモ等レースゲームのリプレイ画面でも行われている。レースゲームでは水平方向(車だから)のGを表現する以上、カメラは横に振られる(車は水平方向に動くんだから当然なのだが)。魔女宅では、キキとカメラが「すれ違って」、高角度の俯角から仰角へと切り替わる垂直方向へのブン回しによって縦方向へのG、上昇が表現される。
 だから飛行機ゲームのリプレイ画面で、カメラをずっと飛行機に併走させてちゃいかんのだな。
 空戦ゲームで大気中にチリが漂ってたり、スタートレックやスターウォーズのワープのエフェクトもそれか。
 脱線ついでに、特命リサーチで言ってた奥行きの話。まず、アシタカの出立時での何層もの運動視差=魔女宅での手前をよぎるテレビアンテナ。
 「もののけ姫」のサンによるエボシへの単騎肉迫シーン、「千と千尋の神隠し」での湯屋の造りの、デタラメ遠近法による奥行き感。湯屋の階段では左右の間取りと奥の間取りがたぶん、おかしい。洗濯物のパースも。なるほど……
 やっぱりウソツキは素敵だ。
 ポリゴン描画エンジンも、パースその他で嘘をつく機能があるべきだな。光源ではすでに嘘がつかれてる(ex.トゥームレイダー)し、空気遠近法的ウソもありだな。
 細かいところでは、冒頭の炭鉱で、ボイラーから蒸気を使って視線をシータに誘導したりもしている。
 なお、宮崎駿作品では雲がかなり液体扱いされており、かなり海扱いである。同時に、航空機もかなり船舶扱いされている。

シーン変更

 タイトル前後のシータ落下描写。
 この女の子、不思議な力で墜落死はしないけど、どこに落ちるの? それはね、ある町に落ちるのさ……
 そこはどんなところ?
 そこには1人の少年が住んでいました。少年は働き者で……でもそこはちょっと寂れていて……
 「残業はなしだ」後、シータを隠す蒸気。

カメラ・主観の変更

 シータを上からとらえて、落ちていく町。町を俯瞰、接近して斜め上、横、パズー(ここで「残業」伏線)、パズー奥から手前、右から左、手前から奥。「何だろう?」「人だ!」でパズーの主観に入る。

 「残業はなしだ」後、いったん海賊にカメラ。失敗するのは息子達で、叱るのがドーラ。逆はないぜ。「明るくなってから出直しだ」観客さんよ、覚えてな。緊張感(無意識の?)持続。
 で、その海賊が狙うシータは……
 どうやって運んだか? 知らんね。
 朝だ朝だ朝だー。床で寝るのが男の子。屋上へ。
 見上げるカメラ-見上げるカメラでハト-横からパズー-見下げるカメラで、おおっと高台に立ってる家なのね。いやーそれがねとんでもない高台なんだよ……(ハトからのカメラ/ハトが視線を横切る)
 ラッパ、ハト(奥行きを表現、速度にウソあり)、上から下、下から上へぶんまわすカメラワーク爽快。ここでのハトは、美しい背景美術の絵面を見せるためのカメラのフレーム移動のための口実、道具である。
 人を高い所に立てて、カメラ仰角、風吹かせる=爽快
 ラッパだから起きるシータ。太股エロいか? それより手元に片手をあててる仕草が防御的で萌え〜
 はじめての家は猫のように検分しないとね。
 空いてる天窓=登んなきゃ。
 ラッパ止んで緊張感。を破るハト「きゃ!」
 笑い声-見上げると人-ハトと仲良しでいい奴(ここ、さりげなくよろけて小クリフハンガー。憎い)?:ハト大活躍。一瞬でシータの警戒心をほぐす。動物と子供は安定ッス。
 ここのシータの表情いいなー
 2人の心理的起伏に完全シンクロするハト共。
 ラッパと石の交換。さりげなーく。

飛行石の描写

 うまく留められないパズー。手を貸すシータ。さりげなーく。憎い。
 「ふふふーん。見て」おいおいドキドキ。レイアウトが、すごい絶壁を暗示して憎い。
 「きゃ」シータに感情同調する観客。ドシーン。ハト。駆け寄るシータ=絶壁に立ったら風が吹くの法則。
 地面あったのか……でも穴が開いてるぞ大丈夫? 小ドキ。
 常に右側に断崖(黒い)。
 「やっぱりこのせいじゃなかったみたいだ。うわあ」約束だぞ。ドキ。お下げ髪は「びっくり」感情表現に適す。
 シータが落ちるのも約束。「親方の拳骨より」もうすっかり打ち解ける2人。シータが目覚めてからわずか5分弱で。ハトのおかげだ!
 常にいい感じのレイアウト。映画の建築はレイアウト用にある。飛行機械登場(さっきもあったが)。てかハトも飛行機みたいなもん。模型飛行機がわざとらしく白い。
 ラピュタの写真とゴーグル(は気球の額にかかっている)。さっきからのそこここの写真=パズー父の写真エピソード用。
 パズーの動機説明。雷雨の中をくぐり、雲の球の中=かぁっこいい! 雲ラブ。カット割が、ラピュタを隠す雲が速くて写真が間に合わないんじゃ? と思えるようにウソをついている。ここで鳥肌を立てたわれわれは「パズー親父萌え萌え〜」モードにはまる。
 「誰も住んでない宮殿に……」で人物画=王族がいたんだな。=ムスカ&シータ
 でも僕の父さんは嘘つきじゃないよ……世の父親激泣き。カメラが模型飛行機を利用していったん2人から離れ、車輪からドーラへ。
 着替えはいつも超速でできるもんと決まってるのさ。息子達は間抜けゆえいったんは成功するかに見えるが、バレないわけにはいかない。

兵隊の描写

 兵隊は感情移入させないために全員兜で目をかくす。特に、ロボット兵に初弾を当てた後は、ロボットとシータと同時に憎々しくあたることによってロボットを善玉側に「押しやる」。

目の描写

 ムスカの眼鏡が要所で光る。パズーがシータから頼もしく見えるところではゴーグルで目が隠れる(が、最後、ゴーグルはムスカの銃弾を1発防いで砕ける=パズーが父を超えたの超えないのという演出)。シータの母親の目は映らない。
 冒頭での海賊の襲撃時に、最初は皆マスクをかぶっていて、シータと接触してからのコミカル芝居をさせるときになってそれを脱ぐというのにも注意。

髪型

 「あの娘ママみたいになるの?」なるとも言えるし、またならないとも言える。
 船長室にある若いドーラの肖像画はけっこうシータに似ている。名前も似せている。しかし、2本おさげの髪型は、最後にムスカに切られてショートカットになる。つまり、パズーのゴーグル同様、最終的には外れて、パズーの父親もドーラも目指すべき立派な大人ではあるが、その複製になってはいけない、という演出になる。

ギャグ

 楽しさは商品価値。

モブ

 モブはわっと湧いてわっと去る。天に消えたか地に潜ったか。鉱夫、兵隊。

発進

 乗り物が発進するときは乗り遅れそうになること。海賊の車、機関車。

奥行き

 パズー捕縛「てこずらせたな」の雲、飛行機。その後の要塞の雲、手前に波。
 要塞の縦穴+エレベーター=千と千尋の湯屋+エレベーター。アニメ的建築。エレベーターの降下スピードはウソ。途中にトロッコを走らせるとワンポイントでお洒落。
 仮死ロボを見に行くシータ、<傍点>照明の中に入る</傍点>。ここで奥行き感。
 要塞では、常に画面一番奥の位置にスケール比較用に歩哨を立たせて距離を認識させる。

 高台にいる人には風。
 要塞の歩哨。

悪役

海賊一家

 パズーの父親は子供をほっといてあやしげな道楽ロマンに出かけていって死んでしまう。そんなんじゃ子供が苦労して困るだろう、しかし立派な男である。それに対してドーラは、いつまでたっても子供なんだからと愚痴るくせに強烈に家族を囲い込んで仕切っている。そんなんじゃ子供もそうそう自立せんわ。しかし立派な女である。ラピュタは、この男を追っかけて、途中で女の家庭に入り、その家庭を出て、男に追いついて、それを追い抜いていく話になっている。

ムスカ

 ムスカの悪役として優秀なのは、若僧であるところである。物語における悪役は、強大でありながら、主人公たちに打ち倒されうる隙を備えていなければならない。狡猾でありながら間抜けであり、チェックメイトをかけながら説得力ある負け方をしなければならない。これは矛盾しやすく、難しい問題である。水も漏らさぬはずの一大犯罪計画に小学生でも気付く穴があって小学生たちに崩壊させられたり、悪辣非道の残虐帝王がヒーローの馬鹿丸出しテレフォンパンチにノーガードな接待プレイをして負けたりする。
 ムスカはこの問題を動的に解決している。
 つまり序中盤、「ムスカが主人公たちを抑えつける→突発事態が生じてアクションシーンに→ムスカが事態に臨機冷静に対処し立場を強める」という展開が繰り返される。ここではムスカは狡猾で、アクションシーンが一段落したとき、つねに得点を増やしている。得点が増え立場が強大になっていき、倒されるべき悪役としての格が上がっていく。にもかかわらず、冷静度は逆に下がっていき、将軍との対決を境に怒涛のヒステリーを爆発させ、敗れる。
 言い換えると、何を考えているかわからないゴルゴは強く、ゴルゴに追い詰められて退場5秒前の死に役は心のうちをべらべら喋ってから死ぬ(内語と主人公の優位)。序盤、冷静で正体不明な悪役が、手の内をさらしていく(呪文を知っている筈だとか真の名とか読めるぞとか)ことで立場的には強くなるが内語(精神的物語構造)的には弱くなって負ける、というつくりである。
 カリオストロ伯爵は最初から一国の領主であると同時に一大犯罪組織の運営者であるので、この冷静・ヒステリー・敗北の三段活用にやや説得力を欠く。特に時計塔に入ってからはトバしすぎで、指輪やクラリスにそんなに価値があるのか? という疑問が生じる(唐沢俊一『B級学』)。その点、ラピュタには世界を制する大きな価値があり、さらに、軍という組織的暴力(理性による指揮)によって主人公たちと対立していた悪役が、逆にその軍(人間集団)を排除し、個人として強大な力を握る、という図式の不安定さが、ヒステリーに説得力を与えている。
 ある意味で、急激に力を得た若僧の(あらまほしくない)成長物語が、ムスカである。だからやることが怖くて詰めが雑で負け方はみじめである。

将軍

 ムスカとの対比用。

 CM3の後。どうなった? という興味はパズーへのものなので、場所(要塞。本来はあんなのっぽでは砲撃に弱ヨワだが、アニメ的に正しい)の説明をしてからパズー。次の興味:ケガは? 「うぃつつ」まあ大したことないッス。次の興味:ここどこ? 閉じ込められてます。軍がいます。閉所恐怖症的ギャグを挟んで、カメラが引いて引いて(座布団一枚)ムスカ-将軍のシーンへ移行。
 将軍初登場、ムスカとセットで人物説明。「手ぬるい」&外見で、悪確定。ムスカは将軍をバカにしつつあしらう。将軍は不満、でバカ。と同時に2人の役職も説明するコストパフォーマンス抜群のシーン。
 次の興味:シータは? 閉じ込められてます。着てる服は後にいじめるために。ムスカの嫌味「あの石頭は……(小ギャグ)」描写からロボ。縦穴。
 メカ(エレベーター)、メカ(扉)ときて、メカ(ロボ)。回想シーンでは雲が動いていない。これが「過去の伝聞」の表現なのだろうか? 農夫とおかみさん(わざわざ真下に配置する。この堂々たるあざとさを見習うべきだ)で小ドキ。なめらかにカットがつながる。
 シータいじめ。いじめ用(+後で着替えるため)の服。ところで、ここでの会話はシータが泣くようなことなのか? よくわからん。ムスカが何か言って、シータが泣けばそれでいいってことか。ムスカの眼鏡の演技(ハイライトや不透明化)と、照明による演出(嘘をつくときは顔が照明の外にいく)。うなじ(えろえろ〜)。カメラが引いて、次のシーン。
 クリフハンガー、落ちて小ドキ、「出ろ」でギャグかつテンポ良く次へ。流れるような展開だ。「怪我は?」で見て、ちゃんと後頭部に手をやる、丁寧。ところでここの背後で速記してる人って何のためにいるんだろう? 「君も男なら聞き分けたまえ」で猫と戯れる感じの、アニメ的快感(ムスカのキャラクター性がうまく噛みあってておいしい。眼鏡不透明化)。「これは僅かだが」手の演技、ムスカいやらしー。
 パズー卑小感。でかい門、でかい要塞。歩哨にも風が吹かず、雲も動かないのはなぜ? パズー走るの速すぎだが、テンポ優先。「思い出したまえ、この石を働かせる言葉を」ペンダントを留めるのはこの前のとの対比で、首筋(えろえろ〜)。ムスカの前で泣かないところが気丈。明るい光の中で泣く。カメラ引いて、次。
 暗い夕暮れの町。「動物と子供」というアッパー系キャラが出て、ダウンしているパズーとの対比となる。「あの子は?」あーやっぱ聞かれた。聞かれたくないよ、しかも立派な大人には特に。コケて、金貨。に、憎い〜
 バタン、何をする! で明るいアクションの世界に移る。「ここは僕の家だぞ」パズー突っ込む、引き戻されるという愉快なアクションのなかに、パズーが一貫してドーラばかり見てドーラに話すことでドーラがこのシーンの主役であることがわかる。
 「下品食いラブ派」萌え萌え。ドーラの立派っぷり描写。人の心の動きがわかってて、世の中の仕組みがわかってて、自分の職業に誇りがあり(→鉱夫らのヘコみ具合をみよ)、軍と対等にやりあっている。「飛行戦艦を呼び寄せた?」ドーラ目線右上で次のゴリアテにつなぐ。
 ゴリアテ。右から左へ。背景の星空微妙に右へ。
 何かの準備をする人間ってな見てて快い。手袋、ゴーグル、銃。パズー自覚:バカで力がない。ドーラ、あくまで打算あっての許可。刃物を抜く時はアップで。ハトのフォロー(気になるからなあ)。
 発進。背景動いてる。カメラ横から、下から、上から、横から、背後から。ゴリアテ正面(こいつが敵だよ宣言)。
 「夜明けとともに出発だ!」将軍っていいキャラだなあ、状況説明役として優秀。タイムリミット設定(「ぐずぐずしてると手が出せなくなる」「ぐずぐずしてると夜が明けちまうよ」)。フラップター、飛ぶときは低空を飛ばねばならぬ(ナウシカ、魔女宅その他も見よ。「シャルルやもっと低く飛びな」)。地形が過ぎ去っていく快感(電車やドライブ)。鳥をワンポイントにあしらうとお洒落です。
 「シータ!」でそのお姫様は救いの騎士が来るとも知らず(重要)……一羽飛ぶ鳥が寂しげ、回想。「ラン、ランララランランラン」歌いたくなりますなー。他の導入法はないのか? 暖炉わき。色々と小物があって充実感つーかあったかな雰囲気。「はたらくお母さん」だが、シータの目指すべき人、「立派な大人」ではない(瞳が見えない)。リーテ、ラトバリタ、ウルス。アリアロス……日本語圏の観客はおもわず口ずさみそうになる素晴らしい言霊とタイミングと音楽だ。しゅきーん(首筋〜。僕は異常でしょうか。答:思春期にはよくあることです)。吹けよ風呼べよ嵐。「素晴らしい」で扉を閉める、王族の話だから、部下は入ってくんな(後にもういっかいやる)。ロボ、怖い演出で起動。「どんな呪文だ」呪文の言葉がポイントだよーという宣言(リアルに言えば、ムスカは間抜けだ。後で聞くべきだ)。
 ロボに機関銃が効くかっての(研究してたんと違うんかい。対戦車砲を出せ)=ロボ強い宣言。ここでもわっと引くモブ。怖れないムスカ。おや、ここの橋には手摺があるな。溶けた鉄にもびくともしないぜロボ。
 めずらしいムスカのクリフハンガー(かわいい)。ロボの無表情さが、ここでの怖さと中盤のいい奴と後半の殺戮機械の2面性を可能にしている。つまり科学技術に人格はない、ってとこか。小娘を追い詰めるのは燃えますなーさあ塔で行止りだ! 「空を指してる……」ってそりゃわかっとるんじゃ。で、ムスカが説明してくれる。
 将軍と、周囲のてんやわんや(大声と耳を塞ぐギャグ)。で、そういう人海作戦な軍を少数精鋭のムスカらがサボタージュして指揮をのっとる。この危機にあって冷静的確な指令。キャームスカかっこいい。
 ジェスチャー。と砲撃、モブのバカで嫌な感じの演出(「やったぜ、すげェ」など)と「娘を捕らえろッ」でロボは被害者・シータ側に転換。「死んだか?」銃が向けられることと、「立てェ!」および兵らの目が写されないことによってスムーズにロボ激怒(でも感情表現はないとこが科学技術ってカンジぃ?)シークエンスに移行。びー・びー・びー。(キングコング+巨神兵)/2か。要塞は壊滅。火の粉が上がるの重要。だがゴリアテがいるぜ忘れるなよ。で、次は海賊とパズーの視点からお送りします。
 ダイナミックにNOEして(羊だか鶏だかがワンポイント)からばっと滑空、カッコイイ。ここで背景の空が上に引かれて、カメラが上昇しつつ俯角へ。空戦ゲームに応用したいところ。夜が明けてる。「船長とお呼び」ゲロかっこいい。体重移動表現。
 「もうやめて!」とシータが止める。後でもう一回やる(ラピュタ中枢)。で、ビームが時計塔に当って、その脇をフラップター。小ドキさせつつカットが繋がる上手い上手い。「ゴリアテが動き始めた」と言いつつ茂みを避けさせることを忘れない。いつでもどこでも小ドキ。
 「あそこだ!」見えなくてもわざわざいったん写す。ロボの手の演技。女は度胸だ援護しな(ゴリアテ、ロボ、シータ、パズー、ドーラだけの世界に移行)。ダーイナミックなカットから煙を利用して滑空へ移り、クリフハンガーでいったんミスらせ小ドキさせてからロボの人情が爆発(ギャー死ぬ)。ゴリアテがインタラプトして、「爆炎の中から手前へ飛び出す」をやってからドーラ一時退場(1テンポ止めあり)、ロボ退場で泣かせて、落下ドキさせて海面を飛ぶのだが、手前から奥にいくとこが格好良くて憎い(水煙を利用)。ドーラ復活、救出(ムスカ一歩間に合わず)、「煙幕か」息子たちも活躍してたんだよー煙幕利用して去る。
 将軍は常にムスカにやりこめられる役回り。ムスカの手と、デコで小ギャグ。「軍とムスカはラピュタへ行きます」ロボは皆わかってると思うけど完膚なく死んでるよ。一応念押し。
 雲を使ってパズーたちに(「いつフラップターに乗ったんだシータ?」)。編隊組んでます。羽が半分ってのと、青空で落着いた雰囲気。シータの嗚咽がいったんとまって、目を伏せるとこが細かく憎い。ドーラ微笑、息子達の突っ込み。パズー男気大up(ドーラに対しても)。
 「お前の谷だ」谷と雲とにレイヤーたくさん。「船長と呼びな」の時点で既に乗船許可してるわけだ。パズー、谷を上から見返る(ハト元気とのフォローあり)。雲で隠れてお別れ。
 背景とフラップターとの動きがかっこいい。「布だ。この船……」「狭いんだから」タイガーモス号の紹介シークエンス。風。グズは嫌いだし働きに来たんだぞ。「凄いエンジンだね」でメカ特性を示し、「ママより怖い」おっさんに「このパッキンだね」「名前は」で受け入れられてもう一員に(早い!)。シータも注意力と論理性で1ポイント獲得。「東洋の計算機」は望遠鏡の続き。「金貨10枚」=「次はゴリアテに出会うまでの話だよ」宣言、の背後でさりげなくパズーがもう1ポイント獲得してる。働く海賊=鉱夫らとの対比。パズーすっかり馴染んでる。タイガーモス号、奥から手前(カメラがプロペラをよぎる)、下から上、横(背景と雲の利用)。
 シータが馴染むシークエンス。まず、スカートは勤労婦人向けの服じゃないよってことを見せてから(風で)、船長室へ入る(外に息子達がいる描写)。ズボン履いて、惨憺たる炊事場のギャグから息子達のギャグ。
 小休止。小さく常に背景右に引いてる(以後タイガーモス号では常に)。クリフハンガーしつつパズー馴染みポイント+1。洗濯物や油で風表現。
 息子ら&シータギャグ。手とヒゲと花。
 カタギに肩入れするドーラ。「王手だ」で場面が切れるので将棋は便利だ。飯(パズーとシータの馴染みポイント+1)。
 見張り。怖いつーんだ、この船のつくりは。小ドキ。船長室の扉の小窓はドーラを写すため。風に飛ばされそうになる小ドキ。しんみり伏線をはりつつ、ドーラを写して退屈を緩和。「原爆もダイナマイトも、いつか必ず誰かが発見する」テーマ(問題)は提示するが、答はきれいなものは示さない(てか示せたら偉大すぎる)。それくらいのスタンスで十分? もののけ姫ではかなり深い角度で(正面から)重い話を語ったが……ラピュタでは添え物。「オレはカタギになるよ。でもヤクザにもいい人がいるね」素早くさっきの「王手だ」発言が解決される——カリオストロの城と同じテーマ、ヤクザなアニメ屋稼業がカタギを手助けすることなど可能なのか? だ。ここで一拍おかずに「何だ、あれ!?」でゴリアテ・アクションシーンになるとこが上手いのかな。
 ほら、あれ! でも最初はよくわからん=要塞のシータ。次のカットでわかる。雲を裂いてゴリアテ。あんな「雲しぶき」が跳ぶのか? たぶんウソ。激かっこいい。一拍子おいてサーチライトが出るのもかっこいい。ナウシカと似つつ、違う砲撃シーン。ムスカのかっこよさを将軍が引き出し、沈んで去るゴリアテ(リアルの理屈としてはタイガーモスを引き離すためだが、アニメ的にも、カメラの前から去る際に雲の下に沈むのが理屈)。
 一緒にハンドルを回す、優等生めー。「あらおばさまも女よ」最初からそのつもりでドーラ出してるくせにー。
 カメラが俯角から仰角へ。いったん「雲の下に潜ってるんだ」状況把握させてから突風を吹かせて小ドキ。ぐるぐると凧を外から、そして中から揺さぶる。シータの恐怖。パズーがなんか縁遠く見えるときはゴーグルが不透明化する。「こわくねーッス」と口では答えるのが気丈てもんッス。紐で縛る=ラピュタ到着時への伏線。不吉な予言(水銀柱)と「あと1時間」宣言。これは「夜明けとともに出発だ!」と同じだね。
 一拍おいてから、シータの持ちネタであるところの日の出方向指摘。竜の巣登場。ここまで風は左から右に吹き、タイガーモスは右から左に進んでいた。そしてパズーとシータは竜の巣を右に見る。雲に突っ込んで小ドキ、プロペラや「舵がきかねえ」「エンジンが燃えちゃうよ」ドーラ女気up。「海だ!」自分(凧)-ワイヤー-タイガーモス-島と、左右の雲という、すばらしーい高度感の出たカット。で、次にドーラのカメラで凧を見上げて、背景に雲塊を置いて高所恐怖と圧迫感とを出す。「竜の巣!? これが!」ここで音楽。ここまで音楽を抑えてきた緊張感(あるべきものがない)が解放されてカタルシスっつーか。風の逆流について述べつつ親父の伏線。「ラピュタはあの中だ!(ゴーグル不透明化)」「船が壊れちゃペイしないよ。ムリ無理」「ちーす。ゴリアテっす。これから撃ちます」盆と正月と危機はいっぺんに来たほうがいい、と。
 「パズーあそこ」からいったんカメラをドーラに返して(これから撃たれる立場だから)、ゴリアテ砲撃(沈み込みつつ)。射撃速度揃ってる。さすが本物の軍隊。

書いた人: 伊藤悠 (ITO Yu)
email: FZR02073---a---t---nifty.ne.jp
20011025 作成開始。1回目。
20011030 2回目のCM3まで。
20011102 2回目のCM3からシータの馴染むシークエンスまで。
20030713 アップロード。
20030822 ムスカの悪役性とシータ・ドーラの髪型について加筆。