指輪世界のOCSのメモ

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 ※以下の記述はVer3.1に関して。

いま書く

 初心者の頃には、そのゲームをいかに楽しんでいても、いくつかのルールに対する反感や、改善案が湧いてくる。
 その一部は、ゲームを理解していくうちに存在意義を発見して、受け入れられるようになるものであるが、なかには、意義を見出せないながらも「面倒くさくなって」、不満を言い書きする気がなくなってしまうものがある(第一日記2001年3月10日)。
 だからいまのうちに書いておく。

FCSOWs, CRT, Disperser

 OCSのデザイン思想は、ゲーム的ツボ/秘孔のたぐいを嫌っている。たとえばConsimの12087あたりで出ている話題で、factor-counting super optimizing weeniesという言葉がある。スーパー戦力比カウンティング小僧ども、CRT上でぎりぎり意味のある戦力値を集めてくるプレイヤーのことだ。ウォーゲーマーは誰しも潜在的にこの性向を持っており、自らのその欲求をなだめながら、プレイしなくてはならない。実際の野戦司令官は、「ここで6戦力の連隊一個足しても1T余分に使うだけで戦力比は変わらず意味がないから、足すのやめよう」などと考えることは、まったくなかったはずなのだ。それに、早く回さないとターンがぜんぜん進まないよ!
 この問題はプレイヤーの側の問題でもあるが、CRTや砲撃結果表などの数値表上から大きなツボを減らしていくことでも緩和できる。OCSならば、たとえばClose4:1から6:1の間が大きなツボであろう。だから、Close5:1というコラムを追加してやれば、ある程度、改善できる。
 作ってみた:CRT2.htm CRT2.xls
 また、戦力比の端数を確率で1コラムシフトに変換するシステムによっても緩和できる。ちょいと考えてみた:
案H)
 奇襲判定のDRの出目が偶数のゾロ目だった場合、その目の値を攻撃側戦力に足す。
 奇襲判定のDRの出目が奇数のゾロ目だった場合、その目の値を攻撃側戦力から引く。
 EX. 攻撃側9.33戦力、防御側4戦力の戦闘で奇襲のDRが5のゾロ目だった。4.33対4になるので、戦力比は2:1から1:1になった。もし2のゾロ目だったら、11.33対4で3:1になる。
 なおこれと同じ考え方で、Consimの12090で「戦力比をnn.NN:1の形まで計算した上で、100面体振ってNN以下なら上のコラムを、NN超過なら下のコラムを使えばよい」という意見が。これも綺麗だなあ。実際には10面体でいいし、電卓さえあれば死ぬほど大変ってもんでもないよね。

小さな意味の切り捨てとボードゲームの呪い

 ここに6戦力の連隊を足しても4:1はかわらないから、無駄だな、などという考えが湧いてしまうのは、ボードウォーゲームにかけられた呪いである。こうした、あるいはFCSOWs方面の問題というのはつまり、小さくはあっても意味ある行為、というものが現実には存在しているにもかかわらず、ボードウォーゲームのシステムがそれを拾えないからだ。小さな意味が切り捨てられてしまうがために、意味を持つ特定の閾値をちょうど越える点を狙ってFCSOWってしまう。「ぴったり4:1」をつくって喜んでしまう。
 といってシステムが小さな意味を拾うようにしていくと、それは細かいルール群として実装されることになり、プレイアビリティが低下し、事実上遊べないものになっていく。
 一般にはここにはトレードオフがあるのだが、絶対ではない。意味を拾いつつも運用可能な美しいルールがゲームデザイナーによって思いつかれたときこそ、天啓といえよう。
 この問題は、しかし、コンピューターを介せば軽々と解決する。Steel Panthers: World At Warなどはこうした悩みを持たない。だからそのへんはもうコンピューターウォーゲームに任せてしまってもよいのかもしれない……

FCSOWs問題と1枚スタック

 ていうか! OCSではスタックの一番上のAttack Capableユニットしか見えないから、FCSOWs問題はスタックが1枚からのみ構成されてる時にしか起きないんだな、ほぼ。だから皆あんまり気にしないのね。
 うーむ。

砲兵

 砲兵の処理には不満がある。
 Consimの12450あたりでは、空軍の効率(1Tのrefitで60火力とか発揮できる)と比べて弱いのが不満、などと論議されているが、これは議論の立て方が間違っていると思う。空軍は天候や対空射撃による損耗、スタックの4枚制限があるし、航空妨害などの任務との独自のトレードオフ世界を持っている。また、プレイヤーの役割は陸軍司令官であって、抽象的な空軍司令官がどっか別にいて、そいつに対して空港を提供し、支援を要請しているのだと考えることができる。
 砲兵の問題は、現在の砲兵それ自身にある。
X1) 厚いのがお好き 不満ポイント:2
 砲撃が、都市に篭ったハイスタック相手に撃つものになっていて、イメージと違ってて微妙に不満。脆弱なイタリア軍の薄い戦線に地獄のようなカチューシャの準備砲撃があって、ぼろぼろになったところに攻撃……というシチュエーションが少ない。
 なぜなら、1ステップ相手だと1コラムダウンするし、DGで半減したときの戦力減少量が少ないから。ステップが多くて大戦力なスタックじゃないと、コラムシフトと戦力減少量が少なくなって効率が悪くなってしまう。
 だから薄いスタックは生で殴って、厚いとこを砲撃、となっている。今のところ。
 なんかイメージと違う。戦線で、スタックの厚いところが、「砲撃が来たらステップロスくらいそうで怖い」場所。スタックの薄いところは「砲撃が来ても、敵の油を飲み込むブラックホールみたいなもん。怖いのは直接攻撃」な場所。というのがね。(戦闘ユニット目標の砲撃では、ステップ数によるコラムシフトを廃止したらどうだろう? 1ヘクス8キロの中にランダムに落としてるわけじゃなくて、8キロの中の個々の目標に狙って撃ってるはずなのだから)
 砲撃の効果を、半減(DG)ではなくて、額面戦力からの絶対値での減少にしたらどうだろう?

X2) 効率のピーク 不満ポイント:1
 現在の砲撃結果表には、消費Dumpに対する期待値の効率のピークが大きい。DGのピークは17~、ステップロスのピークは41~にある。だから17~,25~,41~68の3つのコラムを狙って砲撃をマネジメントし、その制約は、ルール10.0eの「砲兵がフォーメーション所属ならば、そのフォーメーションの観測兵ユニットが必要(※観測兵は複数可)」となる。しかしこれはFCSOW的ではないか?(砲撃結果表にツボがあるのだから)。実際現在のルールでは、狙った火力量をつくるために、砲兵スタックのうちの一部を移動モードにして調整したりする。

X3) 所在無さげな砲兵 不満ポイント:5
 ヒストリカルには、砲兵って、ことあるごとに働いてるイメージがある。しかしOCSだと、かなり限定された状況でしか必要とされない。具体的には重要な地点を守る厚いスタックへの力攻の時と、Openにいる2ステップ(4ステップ)以上の奴への懲罰(「おしおき」)。
 これは(X1)と(X2)による現象だ。

X4) パズル用の小ピース 不満ポイント:1
 小火力の砲兵(5とか)は結合して使うために存在しているも同然だ。これは(X2)のため生じている現象である。他に使い道としては、奇跡的に眼前のOpenにやってきた7REを撃つ、とか。ヒストリカルな砲兵がそういうのを期待して配備されていたとは思えねー!
 「懲罰」/「おしおき」的砲撃の存在は、いわば間接的なスタック制限として機能していて、役に立っている。ここに加えて、ステップによるコラムダウンを適用しない「イタリア軍にカチューシャ」的砲撃を実装することで、よりヒストリカルっぽい砲兵の挙動を実現できるのではないかと思う。
 砲兵も歩兵も、油を効果に変換する機関だと考えることが出来る。変換効率の悪い歩兵は嫌われ者で、これが砲兵の場合、合計火力が16以下のユニット群に相当する。
 ただし、歩兵の場合、防御時にはどんな部隊であっても、払わなければならない油が2Tで打ち止めなので、いてくれれば助かる。言い換えると、防御時には、2REから上に変換効率という概念がなくなる。あと、歩兵はアタックキャパブルだから、敵の補給線や道路、兵力進展を止め、彼に攻撃を強い、そして基本的に攻撃行為自体が低効率な行動なので、これはつまり、「敵に空間を高く売りつける」ということだ。
 だから効率の良い部隊がspearheadとなって攻勢/突破を担い、他のは戦線を張って防御に就くわけだ。
 砲兵の問題は、歩兵の防御任務に相当する任務がないことである。
 歩兵の防御任務的な砲兵の役割を、カウンターバッテリー(日本語では、対砲迫戦?)あるいは阻止砲撃の形で実装してはどうだろうか。
案I)
 砲撃を受けたスタックに含まれる/隣接している砲兵ユニットは、1枚だけ、カウンターバッテリーができる。油消費なしで、パーセンテージダイスを振って、火力以下が出たら敵の砲撃は1コラムダウンされる。

案J)
 攻撃を受けたスタックに含まれる/隣接している砲兵ユニットは、1枚だけ、阻止砲撃できる。油消費なしで、パーセンテージダイスを振って、火力以下が出たら敵の攻撃は1コラムダウンされる。

案K)
 攻撃を行う対象スタックに射程の届く砲兵ユニットは、1枚だけ、支援砲撃できる。油消費なしで、パーセンテージダイスを振って、火力以下が出たら自分の攻撃が1コラムアップされる。
 パーセンテージダイスは扱いづらいから、11..66ロールをパーセンテージ変換するテーブルを使うのがいいだろう。hexanot3.htm
 しかしパーセンテージダイスは煩雑だ!
案M)
 砲兵はパーセンテージダイスなしで以下の効果を有する。火力は関係ない。モードは戦闘モード限定でDGは駄目。砲撃フェイズやリアクションフェイズに砲撃を行っていてもOK。
 これには案Lを適用する。また、相殺する。
 A)通常の陸上攻撃を行う際に対象スタックを射程に収めていてスポッターがいれば、その戦闘に1コラムアップ。これには1T使う。
 B)通常の陸上攻撃を受けた際に対象スタックに含まれている、またはその対象スタックが射程内でスポッターがいれば、その戦闘に1コラムダウン。これには0T(1Tでもいいか?)使う。
◆これだと機械化砲兵がちょっと強くなる(油は食うけど、戦闘モードで足が速いから)。
 案Mによって砲兵における「歩兵の防御任務」が実装されたとしよう。つまり、そのユニットの質にかかわらず、ただ1枚で実現できる、そしてただ1枚だけで実現できる、非常に効率のいい任務だ。
 では、「歩兵の攻撃任務」に相当する、効率のいいユニットがいればいるほど嬉しい任務は、どう実装されるべきか。通常砲撃のルールの改訂案はたとえばこうだ。
案N)
 通常砲撃はパーセンテージダイス/11..66ロールで処理する。通常砲撃には、1Tにつき1REの砲兵が参加できる。総火力をそのままパーセンテージに読んで、ダイスロールがそれ以下ならDG。
 また、参加砲兵ユニットのうち最強の2枚を数えずに総計した火力が、ステップロスの判定値。ダイスロール90%超過は火力に関わらず失敗。
 この砲撃でステップロスが発生した場合、もう1個drを振って、その目が対象スタックのRE-3以下だったらさらに1ステップロス。

雑魚の使われ方

 yahooのgamegroupのログ
> ASSUMING you have enough to garrison your rear, then shell catching is
> a reasonable use for them. Also, padding to take AL1o1 or DL1o1
> options.

Exactly...this is one of the best uses for them in the current system.
The question is if it is worth ruling out this tactic versus the weight
of the rules needed to do it.

Dean


Case Blue

HomerCon2004の画像
 テストプレイヤーへの指示。
Case Blue "Rules"
1) Play for the Long haul - avoid "1-turn Solution" and 
				"Playing like There is no tommorow"
2) Write down Questions as they come up (and learn s??? for Answers)
3) Put somebody NEAT in change of the dead and Reinforcements
				-> This is the m???? co?????t!
4) Identify + Record Things That could Break The game
				- Don't Exceed Them and waste test time.
5) Cross-check maps - make corrections right on These sheets
6) Write names of Players on Question log for proper cr????
7) Use the v3.2 rules, no house rules, Limited "official" optionals
	No Drinks on game Table, Please!


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20040829 作成。「いま書く」「FCSOW」「砲兵」
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