解析

 紹介と前書きは長いので後回しにしました。なおアウターワールドの続編が海外版 Mega-CD で存在する、という噂について何かご存知の方はぜひ管理人筆者までメールを。
追記:メールを頂きました

基本操作方法  説明書なしで買った人のために。

あいさつとストーリー  やはり説明書から。

クレジット  スタッフ。

タイトルデモ  オープニングのデモ。

ネタバレ  専門的知識、パスワード、攻略のヒント。しかしこのゲームの存在意義は「解明していく過程」にあるので、行き詰まった時以外はできれば見ないでください。

Mac 体験版  体験版がダウンロードできる所。Macintosh。水からあがっても人喰いワカメに引きずり込まれて死ねたり、ヒルの数が多かったり、SFC版の難易度があれでも調整されていたものだということがわかって愕然。1面しかできないのは残念。

アウターワールド AGO(アゴはずれ)さんのページ。うちのページより攻略は親切。(本体は消失しているので、web.archiveのログも参照してください)
Out Of This World fan くさじまさんのページ。掲示板に女風呂のヌード画像があるぞ。ぐげー。
どうして「アウト・オブ・ディス・ワールド」が「アウターワールド」になるの? 取り込み画像と情報量の多い攻略・紹介ページ。
はじめてのあうたーわーるど これは「おるすばん」ってやつ? か?
アウターワールド armaさんのページ。絵がたくさん。四コマ素敵。なごむ。
須田剛一氏の選ぶ1本 ファミ通記事「有名クリエイターが選んだ心に残る1本」 須田先生…

このページの作成者:
伊藤悠 FZR02073---a---t---nifty.ne.jp
プレイ協力:
舟橋亮
斎藤幹夫 http://member.nifty.ne.jp/MTK/mikihome/index.html

紹介

 「アウターワールド」はアクションアドベンチャーゲームです。画面は横から見る形で、折り紙を切って貼って作る絵のようなベタ塗り気味のグラフィックですがこれは驚くなかれこのゲームがポリゴン! ポリゴン! もひとつポリゴンを! 使って! いるからなのです!
 とはいえこのゲームのポリゴンはスターフォックスやワイルドトラックスのような一般的なポリゴン、立体を表現するポリゴンとは違います。平面の上にいくつかの板を置き、それらをつなぎ合わせてキャラクターを作り、それぞれの板を個別に動かしてアニメーションさせるという2次元ポリゴンなのです。
 それでもSFCでポリゴンとは凄いのですが、移植ものであるこのゲームの場合どちらかというと心意気が凄いという部類に入ってしまいます。大きなキャラクターにさまざまな動作を、それも滑らかに行わせるためにポリゴンを使っているわけですが、新鮮でもSFC、世界が透明なコールタールに沈んだかのごとき処理落ちが起きます。もともと走る、止まる、飛ぶといった動作にそれぞれ予備動作があり、入力からアクションまでに数テンポのタイムラグが生じるため、操作感はSFCソフトの中でもトップクラスの悪さを誇ります。ライバルは「ポピュラス」でしょうか。
 ともあれその気概やよし、ということにして紹介を続けると、ゲームは6頭身の2次元ポリゴン主人公レスターを操ることで横スクロールに進みます。敵が出たり障害物があったり謎があったりしますが、それぞれ違った方法を見つけて解いていかなくてはなりません。決まり切った作業で切り抜けられる場面はほとんどなく、どの仕掛けも独特なルールを持っています。そしてある仕掛けを解いたらすぐ次の仕掛けと、中だるみなしの高密度な展開が続きます。
 この仕掛けの作りが素晴らしく、それぞれが独特でありながら全編を通して共通の精神、思想が感じられます。日本のコンシューマーの基準からいうと非常に難しいゲームであることは間違いありませんが、難しいなかにも理屈が通っている、フェアといいましょうか、理不尽なほど難しいが謎は理不尽ではない、のです。
 世界観にも確かな思想が感じられます。主人公レスターが実験中の事故で次元を越えて流れ着いた異世界、「スターウォーズ」第一作に登場した砂漠の惑星に似た世界が舞台です。捕らえられた強制労働所からの脱出行のなか、かいま見える異星人の帝国とその奴隷制社会、幾度も巡り会うやはり脱獄した一人の異星人。
 与えられる情報は極めて少ない、例えばその異星編ではテキストメッセージが全く登場しない、のですが、そこから想像される世界は広大な大陸に長い歴史を刻む、確固たる存在感を持っています。画面に連なる山々の向こう側にも確かに空が広がり、その下で人々が生きていると感じられるのです。
 彩度の低いベタ塗りグラフィックが乾いた空気と堅い難易度、高い密度を表現するこの「アウターワールド」、言葉のないパントマイムの物語は、あたかも挿し絵のない異国の冒険物語のようです。洋物アドベンチャー界の中ではどんな位置にあるのかよく知りませんが、国産ハードでできるソフトとしては一級のグッド洋ゲーエッセンスを持っているはず。1999年4月時点で秋葉原のソフマップアミューズメント店に3本。あなたがこれを読む時点でも売り切れてはいないでしょう。ぜひプレイしてみてください。

前書き

 アクションアドベンチャー、アウターワールド。比類なき世界観とゲーム性、高度な技術力でユーザーをうならせ、アウターの他にアウターなし、ワールドの後にワールドなしとうたわれたスーパーファミコンのキラーソフトである。大体発売元がビクター、ここからしてすでにやばい。次に Interplay とか Delphine とか聞いたこともないメーカーのロゴが出る、これもやばい。そしてゲームデザインとプログラミングとアートワークの三役に全部 Eric Chahi って書いてある! やばいやばいぞ、そうこれは才気あふれる外つ国の若者が一人でつくりあげたゲームを外つ国のメーカーがプロデュースし、ビクターが日本に持ってきたソフトに間違いない! なんてこった、生まれも育ちもちゃきちゃきの、帝釈天で産湯をつかった洋ゲーじゃないか。いったいどうして君はこんなものを買ってきてしまったのかね? まてまて、カートリッジを砕くにはまだ早い。あーそのなんだ、このゲームは、えー意外とあれだ、面白い、ゴホン、んじゃないかなと、まあそんなふうに筆者は思うんだがね。
 いや、こんなに筋の通ったアドベンチャーゲームはそうはない。諸君はアドベンチャーゲームをプレイしていて作者を信じることができず辛い思いをしたことがあるかと思う。このギミックには意味があるのかないのか、これに悩むことほど嫌なことはそうない。しかしアウターワールドに関しては保証しよう。意味のないギミックはない! この作者、Eric Chahi は信じてよい。そしてまた重要なことに、このゲームはやれることをすべてやって進めていくゲームではない。総当たり式アドベンチャーゲーム、次はあそこに行ってあれをなにすればこうなるという推理がまったく出来ないためにすべての場所に行きすべてのコマンドを実行していくしかないゲームでは、ないのである。これはアクション性を導入したことによるのだが、ギミックの水準が非常に高いために見事な成功を収めている。つまりアウターワールドはアクションアドベンチャーゲームのポテンシャルを最大限に引き出したソフトだといえるだろう。ぜいぜい。これだけほめれば全国で 3 人位はやってみるかという気になるのではなかろうか。まあそんなわけでゲームスタートである。
 まずは上を押す。もちろん押す。当然押す。もし君がとある物理研究所の研究者でここ数ヶ月行き詰まっていた実験のミスを発見して修正し、ジュースで一服しながらプログラムを走らせていると雷が落ちて粒子加速器が暴走、異次元に跳ばされて気付くと何か薄暗い場所にいてそこが実は水の中で下の方からワカメみたいな人喰い生物が触手を伸ばしてきていたら上を押すだろう? 押すに決まっている。はじめてこのゲームをやって 5 秒以上生きていた人は世界でも 1000 人いないと思う。ともかくそこを出て……おっとこのソフトの意味は解法に悩みかつそれを見い出すことであった。がんばれ。どう見積もっても 1 時間以上、下手をすると数ヶ月級の行き詰まりが 3〜4 回発生すると思われるが、それもまたこのゲームの範囲内である。攻略のヒントは用意してあるが、皆さんがそれらを見る必要の起こらないことを心から祈っている。


比類なき  ひ-るい【比類】くらべるもの。たぐい。

高度な技術力  このゲームにはたくさんの映画的技法が、今話題のポリゴン技術で再現されています。(説明書より)
 このゲームはポリゴン技術を使うことで大きなキャラクターの動作を滑らかに表示することを狙っている。今日日の2次元格闘ゲームなどでは立っているグラフィックから瞬時に必殺技のグラフィックに変わったりするのがあたりまえだが、動作の滑らかさという点からいえば、あるポーズから別のポーズに移る際にその中間状態のグラフィックがたくさん表示されればされるほどよい。キャラクターがドット絵の場合にそんなことを追求しだすとグラフィッカーが死ぬことは確かだが、体部位をポリゴンで組み立てたキャラクターを用いれば比較的楽に実現できる。その分CPUに負担がかかることになり、処理落ちを招くが。
 また動作の中間状態を増やすということは入力から動作までのタイムラグを増やすということでもあり、操作感を悪くする危険がある。このゲームはその轍に見事にはまっている。今日日の2次元格闘ゲームはむしろ動作の中間状態を積極的に省くことで操作感の向上をはかっているともいえよう。キャンセルというやつである。

キラーソフト  クリアまでに軽く 100 回は殺すことになると思う。

洋ゲー  主に難易度や操作性において平均的ジャパニーズゲーマーの予想をはるかに上回る水準の作品を産する分野。パスワード、B ボタンで決定、一人か二人で作った等の特徴を見たら怪しいと思っていい。スーパーファミコンではレミングス、ポピュラスおよびポピュラス 2 などがおすすめ。

面白い  スーパーファミコン最高のソフトの座をプリンスオブペルシャと争うゲーム。(知人談)

筋  鉄筋。

ギミック  仕掛け。アイテムやスイッチ、動かせるもの。

ない  潔癖性的に正確を期すなら窓から外を見るイベントおよび逆さイソギンチャクの生殺を除く。

次はあそこに〜ゲーム  (前略)真説・夢見館ほか多数ある。余談ながら「真説・夢見館」の総当たり度は極めて(中略)屋敷内の全部屋を一つ一つ(中略)林原めぐみ演ずる不気味な少女の顔が突然アップになったりするのが唯一の(中略)という泣きたくなるような(後略)

アクションアドベンチャーゲームのポテンシャル  アウターワールドの「密度」はトゥームレイダースシリーズに勝るとも劣らないと思う。顔も勝るとも劣らないと思う。

1000 人いない  ここではじめて「 PRESS "B" TO CONTINUE 」を見て自分が死んだのだとわかった人も 4 桁いないと思う。

がんばれ  アドベンチャーゲームは友達と一緒にプレイするのも面白い。挑戦と解決の喜びを分かち合える。

範囲内  サクラ大戦に 30 分詰まったらサターンが熱障害を起こしているとみていいがアウターワールドでは 30 分の詰まりなど詰まりに入らない。


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