Date: 07/07/99 10:39:41
Member Name: 111a
email: hanakawa@DA-NET.CO.JP
Subject: RPGの戦闘:前編(長文)
Genre: Game

この書き込みへのRES:
Re1: RPGの戦闘


以下に某氏から頂いた文書を紹介します。
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第一章「RPGの要素」第二節「RPGの正体(戦闘系)」
 [0.おことわり]
RPGの戦闘は基本的にHP(MP)の出し入れのみに重点をおいた
つまらない数字遊びである。
お互いの持ち点(HP)から、決まった法則に従って点数を
足したり、引いたりするだけ、という小学生の算数にも劣る
戦略性0のただの計算問題である。
 また、RPGの成長(レベルアップ)のシステムについても考えれば考えるほど
虚しさが募ってくるような大系を採っているのです。
 
そんな、ぼんくらシステムについて語るのも時間のムダ、という気もするが、
逆説的にいうと、RPGのシステムに対する私の怒りや不満は、
この一点に集約されているといっても過言ではないので、
今回は、愚痴モードを全開にして己の見解を中心にお届けします。
最初はRPGの成長システムに対する魂の叫びだ!
今のRPGを心から愛している、という人は、読まないほうがいい。
 
[1.RPGの成長システム]
「RPGとは、主人公の成長の物語である」とはRPG草創期から言われ続けて
きた言葉である。
それは、ある面では正しい。しかし、現今のRPGを注意深く観察すると
間違いであることに気付く。
 
成長とは「体や心が育って一人前の状態になる(近づく)こと」である。
確かに、主人公(及びそのパーティ)は、冒険を続けていくにつれ、
徐々にLVが上がり、能力を示すパラメーターは上がり続ける。
たしかに主人公は確実に育っている。
 しかし、物語を通して、決して主人公が「一人前」になることはない。
それは、何故か?
なんのことはない。ゲームのお約束とも言うべき、下らない「ゲームバランス」
という概念がRPGの世界を支配しているからである。
 つまり、主人公が強くなるにつれ、倒すべき敵キャラのほうも「いい塩梅」に
強くなっていくのである。
 
あるエリアである程度LVが上がって、全滅しないようになっても、
次のエリアに行くと、計ったように(計ってんだが)前のエリアでLVが
上がった分だけ、敵キャラの方も強くなっているのである。
 LVが1だろうと35だろうと、自分と敵との相対的なバランスは変わらないので
敵キャラすべてを一つの個体と考えると、
主人公との上下関係は実は物語を通して変化していないのである。
(ゲームをクリアしたのにレベルを延々と趣味で上げ続ける人は別よ)
我々は、戦闘に使われるダメージや回復の数字の桁を大きくするためだけに
必至こいて経験値稼ぎしているワケなのである。
 
それじゃ、まずい!
ということで、ゲームクリエイター達は、ゲームの終盤にかけて、
やたら呪文を覚えさせたり、戦闘中、見た目だけ派手な特殊攻撃とかを
無理くりねじ込んでくるわけ。
 はっきり言って、吹雪で50ポイントのダメージを食らおうと、
通常の攻撃で50ポイントのダメージを食らおうと、
HPが−50ポイント減少することには、変わりないんだから。
おまけに、この頃はやたらグラフィックに凝ったものが多くて、
プレーヤーの目は、ますます誤魔化されていく感じ。
ああ、ポリゴンやらムービーやらモーションキャプチャーやら、
どうにかして差別化を図ろうとする涙ぐましい努力よ。
 
つまり、RPGにおけるプレーヤーの役割とは、決められた情報を繰り返し、
繰り返し、繰り返し、主人公の強さがラスボスのそれを越えるまで、入力していく
「作業」に他ならないのである。プレーヤーの能力でゲーム全体に影響される
ファクターはクリアまでの時間が「速いか、遅いか」なのだけである。
 なぜ、こんな事態になるのか?...分かっているけど言わない。
ゲームを作っている人(特にゲームクリエイターと呼ばれる人)は、その所をちゃんと
考えてくださいよ。
エンディングの数を増やしただけじゃ、ダメだよ。
 
[2.RPGの戦闘の基本概念]
 多くのRPGがターン制の戦闘システムを採っています。
自分が一発殴ったら、相手が一発殴り返してくるまで、
こちらとしては基本的に何も出来ない、という実に正々堂々とした
バカみたいなシステムです。
しかも、戦闘位置の概念すらないから(前衛/後衛ぐらい?)
例えるなら、お互いに真正面に向かいあって立って、
「ビンタしばきあい対決!(山崎VSモリマン)
        〜先に動いたり(にげる)、泣いたほう(ぜんめつ)が負けよ〜」
みたいなレベルのことをやってるワケです。RPGの中で。
はぁ〜
そんなものに「正義」だの「愛」だのを賭けろって?
は、は、はっ、少なくてもオレは遠慮したいです。
 
[3.RPGの戦闘システム]
 ※注意!つまらないです。
 分かり切ったことだけど、と前置きをして
純粋にシステムの面からだけRPGの戦闘を分析すると、
現在、RPGの戦闘でプレーヤーに許された選択肢は、
①たたかう(主人公の腕力+武器の攻撃補正によってダメージを与える)
②まほう(魔法などの特殊能力を使うことで、※1を発動する))
③どうぐ(道具を用いることで、※1を発動する)
④にげる(戦闘の強制終了)
⑤移動/入れ替え(前衛・後衛位置がえ、他のキャラと入れ替え)
の5種類だけです。
ボクの見た所、いま世の中に氾濫しているRPGの90%以上は
戦闘中にこの5つことしか出来ません。
 さすがにそれだけじゃ、不毛な流血戦が繰り広げられるだけなので、
愚かなる人類は、いろいろなオプションを考えたさ。
 
※1 戦闘オプション
①HP/MP修正(魔法や道具でHPやMPの増(回復)減(攻撃)を
                  はかる)※パラメーター修正の一部とも解釈できる
②パラメーター修正(一時的に、主人公の各種パラメーターを魔法や道具で
                    変動させる)
③特殊修正(毒《毎ターンダメージ修正》・暗闇《命中率の低下》
            石化《一時的な戦線離脱》・混乱《ランダムの行動》
            睡眠《行動選択不可》・沈黙《呪文の使用禁止》
            など、プレーヤーの行動の制限、キャラの戦闘からの一時的な排除、
            戦闘の公式(後述)に関する各種変数の置き換え、
            等々のある「状況」を作り出すもの)
 
つまり、戦闘概念の根本は変えずに、オプション機能的な「飾り」を、
どんどんくっつけていった結果、プレーヤーの覚えなくちゃならない基礎知識
が、際限なく拡大していったわけです。
あびりてぃ〜やら、じょぶやら、じゃんくしょんやら、きゃぱしてぃ〜やら、
はっきり言って、面白くない!ゴールに着くまでの「障害物」が増えた、という
印象しか残らない。
このままでいくと、一時期のマニアックなシミュレーションゲームみたいに、
マニュアルを読むだけで2日かかった!とか、そういう御時世になりかねん。
あ〜、恐ろしい。南無阿弥陀仏!
 
[4.戦闘の公式]
 ※ここも、つまんないんで、読み飛ばして下さい。
 ①戦闘中のダメージ決定
 (攻撃力算出)   《主人公・敵キャラの腕力・攻撃力(パラメーターの数値)
                 +武器補正(「装備」している武器の威力)
                 +魔法補正(腕力2倍とか、一時的なパラメーターの上昇分)》
 (クリティカル判定)IF A>95(B×2)など ※ A=変数 B=上記で算出された攻撃力
                 (クリティカルヒット、会心・痛恨の一撃等のまぐれ当たり系)
 (ばらつき判定) ×変数など(算出された攻撃力に0.8〜1.2ぐらいの数をかける)
 (回避判定)  IF C1+C2>80(B=0)など
                  (空振りというやつ、対象キャラの素早さC1が変数C2に
                    補正される)
 (防御力算出) −《敵キャラ・主人公の体力・守備力(パラメーターの数値)
                 +防具補正(「装備」している防具の総防御力)
                 +魔法補正(体力2倍とか、一時的なパラメーターの上昇分)》
で、 「主人公は敵キャラに(上式の解)のダメージをあたえた!」
 ということになる。のだろう!(俺は文系だからこれ以上ワカラン!)
 ※魔法での攻撃の場合は、武器の攻撃力を魔法の威力にかえる、など
  攻撃関係の要素を魔法関係のパラメーターに置き換える。MPは定量減る。
 
②逃走判定
 (逃走成功判定)  《パーティの素早さの平均−敵の素早さの平均》×変数で
                   D=逃走判定変数を出しておいて、IF D>50(ESCAPE)などで、
「主人公は逃げ出した!/回り込まれた!」ということになるのだろう!たぶん。
 
③回復/パラメーター上昇系
 (回復魔法・回復アイテムの効力)《魔法・アイテムの威力+主人公魔力など》−
 (ばらつき判定) ×変数など(算出された回復力に0.8〜1.2ぐらいの数をかける)
で、 「主人公は○○○を唱えた!主人公は(上式の解)のポイントを回復した!」
 となる?う〜む。これでいいんだろうか?
 
④その他
   キャラどうしの属性とか、熟練度とか、スキルとか、呪文の有効時間とか、
  公式の変数は、いくらでもくっつけることは可能!
  これ以上増やしても、意味があるとは思えんが・・・