(概略)
弓はどんなとき当たり、どんなとき外れるか。
弓攻撃はずらし射ちにより、表示されている射程範囲の数マス先まで届かせることができる。
タクティクスオウガにおいて弓は非常に重要な攻撃手段である。弓は攻撃手段として強力だし、またそのことがゲームシステムを生かし、ゲームを面白くしている(と筆者は思う)。
しかし弓がゲームシステムのなかで果たしている役割について述べるのは後日にゆずって、本稿では弓の当たり判定について調べたデータを示す。タクティクスオウガの弓の当たり判定は独特で、複雑な法則に従っているらしく、そのこともゲームを面白くしている(と筆者は思う)。
タクティクスオウガの弓は表示される射程範囲の外にも当たることがあるし、中でも当たらないことがある(この場合、当たるとは回避判定が行われるということで、防御ユニットがよけたり、盾で防いだりすることはある。当たらなかった場合には、そもそも回避判定が行われない)。
当たり判定に影響する要素は、
・攻撃に使う弓の射程
・攻撃ユニットと防御ユニットの高度
・両者の間にあるパネルの高度、そこにある障害物、ユニット
である(攻撃ユニットのクラスや天候は、たぶん、影響を及ぼさない)。
10 | ||||||||
9 | × | × | × | × | × | |||
8 | 上 | 上 | 上 | ○ | ○ | × | ||
7 | ○ | ○ | ○ | 上 | 斜 | ○ | × | × |
6 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 斜 | 斜 | |
5 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
4 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
3 | ○ | ○ | ||||||
2 | ○ | |||||||
1 | ||||||||
0 | ◎ | |||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
◎…………攻撃ユニット。
空白………調べなかった。その必要もない(と筆者は思う)。
○…………当たる。
×…………(調べた範囲では、どうやっても)当たらない。
上…………防御ユニットを狙うのではなく、その1パネル上のパネルを狙うと当たる。
斜…………防御ユニットを狙うのではなく、その1パネル斜め右上のパネルを狙うと当たる。
これで面白いのは、まずまっすぐ狙って(0,7)までそのまま当たるということである。狙いを1パネル上にずらせば(防御ユニットそのものではなく、その1つ上のパネルを狙う)、(0,8)まで当たる。表示されている射程は6なのだから、2パネルも違っている。
さらに、斜め方向には(4,8)および(5,7)まで当たる。(6,6)にも、狙いを斜め右上にずらせば当たる。6パネルも違うのである。斜め方向の当たり判定は広い。まったく驚きの広さである。
また、細かい話だが不思議なのは、X座標3と4の当たり判定である。(3,7)と(4,7)はそれぞれ狙いをずらさないと当たらないのだが、(3,8)と(4,8)はそのまま防御ユニットを狙って当たる。これはちょっとした謎である。
実戦ではときおり、射撃が、狙ったユニットではなくて途中にいた別のユニットに当たってしまうことがあるが、どうもこの「ずらして当たる」現象はそれと同じ原因でおこっているような気がする。つまり、弓はユニットでなくてパネルを狙っており、その軌道がたまたま途中にいたユニットでさえぎられて当たるのではないか。これは、ちょっと工夫して実験すれば面白そうだが(たとえば(3,7)と(3,8)の両方にユニットを置き、(3,8)を狙う)、やる気がなくてやっていない。
(0,8)などに当たるのも、どうも、「ユニットでなくてパネルを狙っているのだが、その軌道がユニットにさえぎられて当たっている」ような気がしてならない。つまり「ここから外はパネルしか狙えない、もしそのパネルにユニットが乗っていてもパネルを狙ったことになる」範囲というものがあるのではなかろうか。これも工夫して実験できそうだが、やっていない。
また、斜め方向に当たり判定が広いのは、この「ここから外は……」範囲がパネル単位ではなく(射程範囲の表示や、弓のアイテムヘルプではパネル単位で書いてあるが)、実際の距離で計算されているからではないだろうか。
この仮説上の「ここから外は……」範囲を、仮に「ユニットを狙える範囲」と呼ぶことにする。
10 | ||||||||
9 | ||||||||
8 | ||||||||
7 | × | × | × | × | ||||
6 | 上 | 上 | 上 | 桂 | × | |||
5 | ○ | ○ | ○ | 斜 | × | |||
4 | ○ | |||||||
3 | ||||||||
2 | ||||||||
1 | ||||||||
0 | ◎ | |||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
ちなみに射程は短いが、重量差(6と32)が大きいので、ショートボウはバルダーボウの代替品になりえないこともないと思うが、どうだろう。
攻撃ユニットのいるパネルが1ステップ高い
◎ | ○ | ○ | × | ||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
2ステップ高い
◎ | ○ | 右 | × | ||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
3ステップ高い
◎ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
20ステップ高い
◎ | ○ | ○ | × | ||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
攻撃ユニットのいるパネルが1ステップ低い
◎ | ○ | ○ | 右 | × | |||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
攻撃ユニットのいるパネルが2ステップ低い
◎ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | △ | |||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
攻撃ユニットのいるパネルが3ステップ低い
◎ | △ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | × | ||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
攻撃ユニットのいるパネルが4ステップ低い
◎ | △ | △ | △ | △ | ○ | ○ | △ | ||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
攻撃ユニットのいるパネルが5ステップ低い
◎ | △ | ||||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
高度が違う場合の影響を非常におおざっぱに言うと、
・高台からうったときの射程は、だいたい2ステップにつき1パネル弱のびる。
・隣接していると、相手が3ステップ以上高いと外れる。しかしその場合も、相手が数パネル離れていると当たったりする。
ということになる。
繰り返すが、高度が絡んだ場合のずらしの効果や斜め方向の当たり判定などはぜんぜん調べていない。
さて、いかがであったろうか。
今後この研究を発展させるとすれば、「ユニットを狙える範囲」仮説の検証や上述した未確認の事柄のほかに、射程7の弓(ジィルガの魔弓)、投石、ボウガン、吹き矢、銃の当たり判定についてなどがあると思う。ずばりこれらのことを調べる気は現時点の筆者にはない。
どなたか調べた人や、ちょっと関係があるかもしれないこんなことを知ってるよ、という方はぜひメールしてほしい。
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