シミュレーションRPG「タクティクスオウガ」に登場する呪文、クィックムーブとスロウムーブの使い方について。
文中の「AT」は「アタックターン」、「WT」は「ウェイトターン」、「MP」は「ミリタリーポリス」の略。
クィックムーブ:風系呪文。射程7。消費MP26。抵抗できず、回復ロールもない。リーダーユニットや、青光の首飾りを装備したユニットなどにもかかる。破魔の盾を装備したユニットなどにはかからない。かけた瞬間に対象ユニットのWTを、そのユニットの最大WTの1/2だけ減らす。その結果WTが0より下になったら0になる。また500WTの効果時間をもち、その間、対象ユニットはATでのWTの蓄積が通常の1/2になる(図1)。スロウムーブ状態のユニットにかけた場合、両方とも効果を失う。
スロウムーブ:水系呪文。射程7。消費MP22。抵抗できず、回復ロールもない。リーダーユニットや、青光の首飾りを装備したユニットなどにもかかる。かけた瞬間に対象ユニットのWTを、そのユニットの最大WTの1/2だけ増す(上限は999)。また500WTの効果時間をもち、その間、対象ユニットはATでのWTの蓄積が通常の3/2になる(図1)。クィックムーブ状態のユニットにかけた場合、両方とも効果を失う。
ATでの行動 | WTの蓄積(通常) | クィックムーブ状態 | スロウムーブ状態 |
---|---|---|---|
移動と行動 | 1 | 1/2 | 3/2 |
移動か行動 | 3/4 | 3/8 | 9/8 |
待機 | 1/2 | 1/4 | 3/4 |
いずれも手にはいるのは第3章からで、ショップで購入できる。プレイヤーの使えるユニットで使えるのはウィッチ、ウォーロック、ソードマスター、リッチ、うぃっち、プリンセス。スロウムーブをかけてくる敵はよくいるが、クィックムーブを使う敵はあまり(もしかすると、まったく──情報求む:2002年5月、あしずり3号さんにご教示いただきました。あしずり3号宿毛行き内やっぱりいるのね)いない。
端数はおそらく四捨五入。効果の切れるWTとユニットのATがちょうど重なったときは、効果が切れてからユニットのATとなる。
さて実戦での運用について考えよう。たとえば、次の2組はどちらが強いだろうか?
(1)アーチャー2体
(2)アーチャーと、クィックムーブを持ったウィッチ
攻撃力を考えた場合、(2)の方が強い。
(2)のコンビは、ウィッチがクィックムーブをかけることで500WTの間、アーチャーに普段の2倍の働きをさせることができる。この間は、(2)の与えるダメージは(1)のそれに匹敵する。
ウィッチはクィックムーブをかけるのに500WTも必要としないだろう(呪文を唱えて待機するだけなら300WT程度しかいらないだろう)から、アーチャーのクィックムーブ状態を維持するかたわら他の行動をとる、たとえば他のユニットにクィックムーブをかけたりする余裕がある。
MP消費についても考えなければならないし、防御力の面でいえばアーチャー2体の方が打たれづよいが、単位時間あたりに敵に与えるダメージは、この余裕の分で、(2)のほうが大きくなるといっていいだろう。
味方にクィックムーブをかけるのと敵にスロウムーブをかけるのとどちらが効果的かという問題があるが、理論上は、より強いユニットにかけるべきである。
例えば強さ100の敵1体と強さ20の味方5体が戦っている場合は、敵にスロウムーブをかけたほうがよい。
逆に強さ20の敵5体と強さ100の味方1体が戦っている場合は味方にクィックムーブをかけるほうがよい。
クィックムーブはその効果時間を意識して運用するべきである。
たとえば、クィックムーブ状態のユニットにATがまわってきたとする。その時点でクィックムーブの効果時間が残り180WTで、自分の最大WTは400。すると、次のうちどちらが優れているだろうか。
(1)このATは行動のみ。次のATで移動と行動。
(2)このATに移動と行動。次のATで行動のみ。
移動を先にしなければならない理由がなければ、(1)が優れている(図2)。
最大WT400でクィックムーブ状態のユニットでは、行動のみには150、移動と行動には200のWTがかかる。だから、このユニットは(1)では「次のAT」をクィックムーブの効果時間内に迎えることができるが、(2)ではできないわけだ。
WT | ユニット(1) | ユニット(2) |
---|---|---|
0 | 最初のAT。行動のみ(WT蓄積150) | 最初のAT。移動と行動(WT蓄積200) |
150 | 次のAT。移動と行動(WT蓄積200) | |
180 | クィックムーブの効果がきれる | |
200 | 次のAT。行動のみ(WT蓄積300) | |
350 | 第3のAT | |
500 | 第3のAT |
もっとも、クィックムーブの効果時間がどれだけ残っているかという情報を直接みることはできないから、意識しようにもなかなかうまくいかないかもしれない。
セレクトボタン(SFC版)によるヘルプでユニットの名前を調べると、スタン状態やクィックムーブ状態といった状態異常がわかるが、そこにクィックムーブやスロウムーブの効果時間の残りを表示するべきだったと思う。
間違っていたり、もっと詳しく知っている箇所があったらぜひ教えて下さい。