タイタンたいたんのきまり


 気になるルールの備忘。英文ルール。訳語勝手御免。
 日記に関連話題あり
1.1 ゲームの目的。プレイヤーの目的は、自分のタイタンを最後に生き残らせることである。

 しかし(19.3)によるとタイタンが死んだターンも最後まで処理を行い、したがって同一ターンに双方のタイタンが死ぬことよって、ゲームが引分けで終わる可能性がある。
 僕は引分けが嫌いだ。どの時点から努力目標を勝利から引分けへとシフトさせたらいいのか、といった気持ち悪い問題を生じるからだ。
 引分けをなくすとするなら、(12.1)「各戦闘ターンの手番プレイヤーがまず攻撃を行う」を利用して、「手番プレイヤーの攻撃終了時に非手番プレイヤーのタイタンが死んでいたら、非手番プレイヤーの攻撃を行わずに(手番プレイヤーの攻撃はすべて処理する)、そこで戦闘を終了する」とするのがいいと思う。つまり相討ちの起こるような場合には、手番プレイヤーが勝者となるわけだ。
 この改変ルールを採用するなら、既にタイタンを殺されて勝利の可能性が全くなくなったプレイヤーが一応そのターンの攻撃を割り振らなくてはならないという、「死人に望みを聞く」問題をも解決することができる。目的を勝利と定義したプレイヤーにとってそのようなターンの攻撃割り振りの解は不定なので、たいへん困った問題なのだ。この問題を除去できるのは一石の二鳥目と言えよう。


4.1 最初の分割。プレイヤーは各ロード1体を含む4体スタック2つからゲームを始める。

 他のプレイヤーの移動・戦闘・徴募を見てから自分のスタック編成を変えていいか? ルールブックには明記されていない。Bruno's Errataではいいとしている。つまり、最初の分割は自分のターンの頭に行う、としている。
 まあ、それが自然だと僕も思うが、プレイ開始前に一遍に決めてしまって、以後変更不可とする解釈にも利点がある。プレイ時間の短縮という面で。


4.3 スタックの分割。行ける場所が1つしかない場所でも、スタックを3つに分割できる。

 たとえば最下層のジャングルで2-2-3に分割したりしてもいいわけだ。その場合、3スタックのうち1つだけが前進し、残りの2つは再結合されることになる。なかなか面白そうな小技だ。


4.3 スタックの分割。分割したスタックの内1つは可能なら移動しなければならない。

 例えばジャングル40にいたスタックを5-2に分割して、ブラッシュ141にもまた自分のスタックがあったとしよう。移動のサイコロで1を振った。<傍点>まずジャングル40にある2つのスタックの移動から処理する。1マス移動しようとして、ブラッシュ141のスタックに阻まれる。よって分割をキャンセルして再結合、7ユニットのスタックに戻って、移動を終了する。次にブラッシュ141のスタックの移動の処理に移る。一歩前進して、マーシュ140に入って終了</傍点>。
 小松原さんはこういう移動ができると言うのだが、僕には違和感がある。僕は今まで、このようなケースでブラッシュ141のスタックがマーシュ140に進むのなら、ジャングル40で分割されたスタックのいずれか一方をブラッシュ141へ動かさなくてはいけないと思ってきた。それが自然ではないか?
 だが、上記の解釈にも一理はある。矛盾はない……君はどう思うかね。
 ちなみにBruno's Errataの解釈ではこういう移動はできない。厳密なプレイ手順の2.1項から2.4項を参照のこと。


6.4 増援と徴募。遭遇の処理が完了した後徴募フェイズに移り、手番プレイヤーの獲得を処理する。遭遇の防御側スタックが得る増援の処理の方が先であることに注意すること。移動フェイズ終了時に7体だったスタックも、遭遇フェイズにエンジェルの召喚によって6体になれば、ユニットを獲得できる。

 ユニットの売り切れが迫ってきた頃には重要なルールである。


7.1 分割の妨害。分割したスタックの移動を邪魔し、再結合せざるを得なくするような移動をしてもよい。


8.1 塔テレポート。塔テレポートではスタックのない場所にしか行けない。塔テレポートの6マスは矢印も敵スタックも無視して数える。塔またはタイタンテレポートは1プレイヤーターン1回まで。


10.5 時間切れ勝利。時間切れで勝った防御側はポイントを得られない。

 コスト-リスク-ベネフィットが微妙に釣り合っているルールだと思う。なくてもいいし、あってもいい。じゃああってもいいじゃないかと思えるが、なくてもいい。


11.7 茂みの遠距離攻撃に対する効果。ノンネイティブのユニットが茂みから遠距離攻撃してもペナルティはない。

 ノンネイティブユニットの茂みからの近接攻撃にはペナルティ(スキル-1)があるのだから、遠距離攻撃にもあるのが自然だと思う。


11.7 砂丘の直接攻撃に対する効果。砂丘越しでない目標から、砂丘を登って越す目標へ、攻撃を回すことはできない。

 なぜ砂丘だけにこんなルールがあるのだろうか? (12.5)の「斜面越しなどに適用されるの有利な修正を無視すれば、攻撃をその修正のつかない目標へ回すことができる」を援用したほうが一貫性があると思う。つまり、ネイティブなら回していいし、非ネイティブでもサイコロを減らせば回せる、とすべきだ。城壁や茂みなどでも(修正はスキルにかかるのだが)そうするわけだし……
 しかし、Bruno's Errataでは、ネイティブであっても回せないという文面通りの解釈をしていた。何でだよ。止そうよ。コスト-ベネフィット比低いって。


11.7 火口の遠距離攻撃に対する効果。火口にいるドラゴンに対する遠距離攻撃はスキル-1のペナルティ。

 他の地形効果には常に(exception: see 13.5)が付記されていて、ウォーロックの遠距離攻撃についてはその地形効果を無視できることがわかるが、火口にのみそれがない。さしものウォーロックも火口のドラゴンにはへこむのか?
 (13.5)の記述を優先してウォーロックはこのペナルティを無視できると考えたほうが、一貫性がありコストが低い。Bruno's Titan Home PageのTitan Errata and Clarificationsでもそう解釈していた。


11.7 火口の移動に対する効果。火口にはドラゴンを除いて入れない。飛行ユニットが飛び越すことすらできない。

 飛行ユニットに飛び越せないのは火口だけ。火口も飛び越せてしまっていいと思うのだが。マグニチュードの低い問題だ。


12.4 攻撃の剰余ダメージを他のユニットに回す。

 Bruno's Errataの12.0以降の6つの例を読むと理解しやすいと思うが、しかしダメージを回せる可能性がないと駄目、というのはルールブックの文面に忠実過ぎる解釈ではないか。平地でノーダメージのガーディアンとユニコーンに隣接したコロッサスは、「4以上でガーディアンから」と言えていいと思うが……


12.6 ロード・デミロードの復活。ロードとデミロードは死んでも死亡プールへは行かず再び獲得できるが、その遭遇が解決するまで徴募プールへ戻らない。したがってある遭遇で失われたロード・デミロードは、その遭遇の増援として、あるいはその遭遇のポイントからは、獲得できない。

 ウォーロックが売り切れの状態で塔で遭遇があり、そこでウォーロックが死んだとしよう。防御側はそのウォーロックを戦闘中の増援としては呼べないし、勝ち残ったとしてもやはり貰えない。しかし攻撃側は、勝ち残れば徴募フェイズにそれを獲得できる。
 あるいはエンジェルが売り切れていた(通常ちょっと考えられないが)として、ある場所で遭遇があり、そこでエンジェルが死ぬ。その場合勝ち残った側はポイントが100点の整数倍に達していても、攻撃側であっても防御側であっても、エンジェルを獲得できない。
 このルールはコストとリスクが高く、ベネフィットが低いように思える。どういうことかというと、まずこのルールは、誰かこのルールを知らない人に説明して理解させるのが手間である(コストが高い)。その一方でほぼ、塔に篭城したウォーロックorガーディアンスタックの防御力を削ぐというだけの意義しか持っていない。それもそれらのユニットが売り切れているとしてであり、ゲームを面白くする働き(ベネフィット)があまりない。
 にもかかわらずそのような状況、つまり多数のウォーロックによる塔への篭城とそこへの突入が生じた場合、このルールを説明されずに篭城したプレイヤーは直感的に「ウォーロックが死んでもすぐ増援で戻って来るんだよね、こりゃいいや」と考えているだろうから、そこで「実はロードやデミロードはすぐには徴募プールに戻らなくてね……」と説明を始めるのは気まずく卑怯者っぽい(説明しないでいていざ説明の必要が生じたときのリスクが高い)。
 最初の教育プレイで「ウォーロックやエンジェルは死んでも死なないから、また取れるんだよ」と説明したとき、聞いた人が直感するのは「盤上から除去された瞬間に箱に戻る」というイメージだろう。それで十分ではないだろうか。簡単な説明から容易に演繹できるルールはコストが低く、効率がよい。
 コストが高くてもそれに見合うベネフィットがあるならいいのだが、それがないのだったら、このルールはなくしてしまってもいいと思う。


12.7 攻撃表。スキル1のスキル4に対する攻撃は、出目6で命中する。スキル5のスキル2に対する攻撃は、出目1以上で命中する。

 いわば絶対命中はあるのに絶対失敗はないというつくりになっているわけだが、これ、絶対失敗をありにしておいた方がよくはなかろうか。サイコロを振らないというのはどうも引っ掛かる。まあいずれにせよ雪溜り、driftという「確定のダメージ」はありはするのだが。
 いっそのこと雪溜りの処理を「スキル4での攻撃1回、遠距離攻撃ができない」とでもしてしまってはどうだろうか。
 絶対失敗のありなしは、塔に篭るスキル4ユニットvs壁を登ろうとするスキル2ユニットの戦いに影響する。これはそんなに破壊的な影響とはいえないと思う(マグニチュードが低いとでも言おうか)。


13.2 遠距離攻撃の射程。スキル3のユニットは2ヘクス、スキル4のユニットは3ヘクス先まで遠距離攻撃を行える。スキル4のユニットが3ヘクス先へ攻撃する際は、スキルを1減ずる。

 直感的にはスキルが3でも4でも1減ずることで3ヘクス先へ届かせていいのではないかと思うが、ゴーゴンやヒドラの特に1ターン裏の攻撃限界線など、ベネフィットは高いので頷けるルールではある。ただ、ルールブックでの距離の数え方(自分のいるヘクスが1、隣接するヘクスが2、1ヘクス挟んだ先が3)は愚かしい。


14.0 防御側の増援。4ターン表に自陣営が7体だったり、あるいは侵入する場所がなかったりして投入できなかった増援ユニットも、その戦闘に勝利すれば、改めて得ることができる。
14.2 防御側の増援。防御側は交渉や、攻撃側ユニットの戦闘マップ進入後の投了による勝利によっても、増援を得ることができる。攻撃側が戦闘マップに進入する以前に投了した場合は、増援を得ることができない。
15.3 エンジェルの召喚。戦闘中に7体制限のために呼べなかったり、呼ばなかったりしたエンジェルも、その戦闘に勝利すれば、改めて呼ぶすることができる。
15.2 エンジェルの召喚。攻撃側は交渉や、防御側の投了による勝利によっても、エンジェルを召喚することができる。防御側が逃亡した場合は、エンジェルを召喚することはできない。
17.1 既に7体いるスタックではエンジェルを獲得することはできない。

 整理してみよう。
 攻撃側は、防御側に逃亡されたらエンジェルの召喚はできない。
 100点貯めてのエンジェル獲得は逃亡されてもできるが、スタックが7体だった場合、「弾かれて消えて」しまって非常に損である。
 防御側がロード(つまりエンジェル)含みのスタックだった際には、逃亡されないのでエンジェルの召喚はできる。が、第1ターンの始まる前に防御側投了をされると、やはり「7体スタックでエンジェル弾かれて消えちゃった」は起きる。
 だから周囲が弱小餌スタックばかりで点数が貯まってきたら、6体スタックを6体のまま留めるというプレイもありうるだろう。
 攻撃側は、防御側ユニットが最初に死んでから最初に来た自分のターン(ややこしい。いい表現がないものだろうか)にエンジェルを召喚できるが、その時自方のユニットが7体いて呼べなかったりすると、以後もうその戦闘中呼べなくなる。勝ち残れば最後に呼べはするが……そのため防御側には7ユニットの攻撃側に対してケンタウロスやレンジャーなどを第2ターン表にわざと被包囲ヘクスに突っ込ませて死なせ、第2ターン裏に「おや7体ですなあへっへっへ。エンジェル呼べませんなあ」という手がある。
 エンジェルの在不在はかなり重要になる場合が多く、この手はけっこう有効である。これを防ぐには、攻撃側は第1ターン裏にユニットを1体あえて戦闘マップに進入させず、殺すか、あるいは多少難しいが配置を工夫して防御側の鉄砲玉ユニットが死なないように計らうかしなくてはならない。
 エンジェル呼べない事件は第1ターン・第2ターン以降もしばしば発生する。攻撃側はいかに早く最初の1体を倒すかだけでなく、その後にちゃんと自方の1体が死んでいるよう注意を払う必要がある。

 次に防御側の心労について考えてみよう。
 逃亡ができるのは防御側だけだが、攻撃側には戦闘マップに入る前に投了するという選択肢が与えられている。これをされると増援が来ないが、エンジェルは獲得できる。
 ただし(9.4)「投了は遭遇のいかなる時点でも行える」を、「攻撃側は第1ターン表以前に投了できる」と解釈すれば──Brunoはそう解釈している、彼のerrataの"Complete Sequence of Play"の"2.5.6"を参照──いきなり投了することで7体の防御側スタックに「エンジェルを弾かせる」ことができる。「攻撃側は第1ターン裏以後投了できる」と解釈した場合は、防御側は第1ターン表に1体を戦闘マップに入れずに殺して、エンジェルのための場所を空けることができるのだが。
 かくして前者の解釈を採るならば、点数が100の倍数に近づいたプレイヤーは、7体のスタックが他のプレイヤーの弱小餌スタックに突っ込まれないよう注意しなくてはならない。
 細かい話になるが、プレイヤー3人以上のゲームでは、攻撃側がいきなりは投了せず、防御側が第1ターン表に7体すべてのユニットを進入させるのを確認してから投了するという展開もありうる。この場合、防御側が6体で来たなら勝負して、(おそらくは確率約5割での)勝利とそれによる点数およびエンジェルの獲得を目指すわけである。
 あるいはこれも余談に近いが、自分ともう1人のプレイヤーが第三のプレイヤーの車止めによって地下鉄状態に陥っている時など、他プレイヤーのスタックを強化してやると効果的な状況もあろうし、そんな際は第1ターン裏での投了が良しである。


15.0 エンジェルの召喚。まだ解決されていない遭遇に含まれるエンジェルは召喚できない。

 直感的には、遭遇に含まれているエンジェルを呼んだってよさそうなので、コストのあるルールである。なくてもよいと思う。エンジェル1体からなるスタックが遭遇していて、そこから引き抜いた場合(ほとんど発生しないだろうが)は、遭遇は起きず防御側のユニット数調整も増援もないとしてしまえばいい。


15.0 エンジェルの召喚は各プレイヤー1ゲームターンに1回しか行えない。

 コストはほぼないルールである。ベネフィットの評価は、好みの問題になる。エンジェルが西に東に決戦に子供の喧嘩にビールのお供に大活躍するゲームが好きなら、複数回の召喚を認めてもいいと思う(タイタン語の「ギャルゲー」を参照)。


17.1 エンジェルの色。エンジェルの色はゲーム上意味を持たない。何色のエンジェルを使ってもよい。

 これも誤解していて、自分の色のエンジェルしか使えないのかと思っていた。そうか色とりどりでいいのか。まさしくギャルゲー


17.3 アークエンジェルの獲得。アークエンジェルが売り切れている場合には、その代りにエンジェルを獲得してもよい。

 アークエンジェルが売り切れている場合に限るわけで、在庫がある場合はアークエンジェルを取らなくてはいけない。これは、在庫があってもエンジェルを選んでよい、とした方が面白い、もとい、ちょっと面白い、と思う。
 つまり戦闘に勝って500ポイントを越えたものの残ったユニットはミノタウロス2体、そのスタックの5マス後ろには敵タイタンの6体スタックがいて、さらにその1マス後ろに自分の7体スタック。敵のポイントが440点。こういう設定では、エンジェルを取るのが面白くはないかな? まあまずお目にかからない状況だと思うが、コストはほとんどない。
 Bruno's Errataでは、エンジェルを取ってもいいとしている。


18.5 ガーディアンの獲得。塔でガーディアンを獲得するには同一種3体のCreaturesが必要である。

 桃源郷のページに書いてあって気づいたが、(3.0)「CreaturesはLordsとDemi-Lordsを含まない概念である(3者をまとめる概念はCharactersである)」から、エンジェル3体やウォーロック3体ではガーディアンを得ることはできない。
 このルールの意義は、あるとしても、塔に篭ったウォーロックのスタックの回復力を削ぐくらいではないかと思える。ならばあまりベネフィットはないだろう。「3体のCharactersが必要である」としてしまってもいいと思う。


19.4 スタックマーカーの継承。タイタンを殺したプレイヤーはその相手のスタックマーカーを受け取り、以後使用できる。

 タイタンのプレイ時間は長い。割のいいトレードオフがあれば縮めたい。そしてスタック数の制限は、割がいいように思われる。
 他人のタイタンを殺し、12スタックを有するようなプレイヤーは既に優勢で、決戦戦力(主力スタック)をいくつか持っているはずだ。今更13以上のスタックが使えるようになっても、大して有利ではあるまい。しかし移動フェイズにかかる時間は長くなる。通信対戦などでは、問題にならないのだろうが……
 スタックマーカーの継承をなくし、生涯12スタックとしてしまった方が、プレイ時間短縮の観点から、よくはなかろうか。

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2000.9.21 ver1.0
2000.11.10 ver1.1 Bruno's Errataを読み深めつつ追記

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